スマートフォン版へ

使い込まれた中山芝がポイント

  • 2002年12月02日(月) 19時00分
 中山芝1600mは内枠有利。

 これは競馬格言の中でも最も有名なもののひとつであり、有名なわりにはきちんと機能する格言でもある。

 しかし、連続開催の影響か、このところの中山ではこの格言が通用しなくなってきている。11月に入って以降の5週で13鞍組まれた芝1600m戦について、枠番別成績を取ってみるとこうなる。

着度数     連対率    単    複
1枠 [1-1-2-14] 11.1%    22    85
2枠 [1-1-1-16] 10.5%    15    54
3枠 [0-2-1-19] 9.1%     0    39
4枠 [1-0-3-20] 4.2%     9    62
5枠 [2-3-1-19] 20.0%    28    75
6枠 [4-1-2-19] 19.2%    63    42
7枠 [2-2-1-21] 15.4%    32    28
8枠 [2-3-2-19] 19.2%    44    68

 単・複とあるのはそれぞれの回収率である。回収率は全体的にパっとしない数字が並んでいるが、これは本命サイドの馬が強かったためで致し方ない。気になるのは連対率だ。1〜4枠の連対率は、5〜8枠のそれに比べてほぼ半分である。

 ちなみにこの間の仮柵移動はC→A→C。1枠の複勝回収率が85%あるのはCコース戻りの直後だった先週の市川Sで、12番人気のリベレーションが3着(複勝840円)したことによる。今週は早くもAコースに戻るので同様の効果が期待できなくもないが、前開催で2週使い、内枠馬の目立った台頭が特に無かったAコースだけに、過大な期待はできないだろう。

 内がダメ=外ほど良いということではないので、馬番では9〜12番あたりが狙い目ということになるだろうか。シルクブラボーがこういった枠を引いたら逆らえない軸になるかもしれないし、逆に、内枠を引くようなら波乱の可能性が出てくる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング