今年の有馬記念はかなりの豪華メンバーとなった。
これほどまでにファン投票上位馬が揃うのは、久々ではないだろうか。昔と違って最近はファンも「出否動向」を考慮しつつ投票する傾向があるが、それにしてもよく揃ったものである。
そして、出走を決めた「最後の1頭」となり、有馬記念本番でもポイントとなるのが、ファインモーションである。
ひょっとすると1番人気か2番人気になるかもしれないこの馬だが、近年の有馬記念で1〜3番人気になった牝馬は、
昭和61年
メジロラモーヌ 2番人気9着
昭和62年
ダイナアクトレス 2番人気7着
平成7年
ヒシアマゾン 1番人気5着
平成9年
エアグルーヴ 2番人気3着
メジロドーベル 3番人気8着
平成10年
エアグルーヴ 2番人気5着
と連対がない。ヒシアマゾンは3歳時に6番人気2着しているが、このときは2番人気ネーハイシーザー、3番人気アイルトンシンボリという状況で、相手関係に恵まれた面もある。ファインモーションがかなりの馬であることに間違いはないが、前掲の馬たちも素晴らしい名牝。その馬たちが人気で大敗している以上、ファインモーションにも疑問を投げかけざるをえない。
ちなみに、「古馬重賞、芝1800m以上、ハンデ戦以外、牡牝・全性戦」という条件のレースに1〜3番人気で出走した牝馬は92年以降の10年でのべ77頭おり、単勝回収率51%・複勝回収率92%。複勝回収率は一見高いが、4歳馬が稼いだ数値であり、3歳牝馬は単勝162%・複勝58%。今度は単勝回収率が高く見えるが、内訳は7戦3勝で、3勝はオールカマー、小倉記念、朝日CCにおけるものである。G1、それも有馬記念となるとそのまま応用しづらいものがあり、ファインモーションは意外な人気薄にならない限り、買わないつもりだ。