スマートフォン版へ

揉まれる競馬を克服…すごい馬やね!

  • 2011年11月01日(火) 18時00分
橋口厩舎期待の1頭、クラレントに騎乗し、見事デイリー杯2歳Sに勝利した小牧騎手。直線、馬群を割って伸びてきたあたり、将来性を感じさせる内容でした。今回は、改めてデイリー杯2歳Sを振り返りつつ、クラレントの可能性に迫ります。

──デイリー杯2歳S、優勝おめでとうございます! レース前は、あまり自信がなかったとのことですが。

小牧 自信がなかったというか、わからない部分が多かったんでね。初戦も人気はしてましたけど、追い切りは動かなかったし、これで勝てるんかなぁって感じだったので。勝つには勝ったけど、時計も平凡やったしね。だから、重賞でどこまでやれるのか、わからなかったっていうのが正直なところやね。

──新馬からデイリー杯2歳Sの間は、調教も意欲的に乗られてましたね。

小牧 だいぶ乗りました。最終追い切りは、けっこう気合を入れてね。思ったより動かなかったけど(笑)。

直前追い切りは気合いが入った

──クラレントは、現状では実戦タイプなのかもしれませんね。調教に乗っていらして、初戦から2戦目で変わってきたところはありますか?

小牧 乗り味がすごく良くなってました。トモがしっかりしてきてね。あと、初戦を使うまではボーっとした馬だったんだけど、放牧から帰ってきたら、すごく元気になっていた。

──では、さっそくデイリー杯を振り返っていただきたいんですが、スタートは初戦より出して行かれましたね。

小牧 はい、出して行きました。出ないかもしれないなぁっていう心配があったので。初戦のようにジッとしていたら、流れに乗っていけないんじゃないかと思ってね。1枠だったし、スタートが速い2番の馬の後ろあたりにつけられればと思ってね。

──初戦にくらべると、道中の行きっぷりも良くなっているように見えました。実際に成長を感じたところはありましたか?

小牧 成長というかね、2戦目でああいった揉まれる競馬を克服できたっていうことで、すごい馬やなって感じましたね。3、4戦してる馬ならわかるんですけど、普通、若い馬はひるむんでね。

──揉まれる競馬は、いつか経験させなくてはいけないことですものね。

小牧 そうですね。そういう競馬で勝てたことが、一番の収穫だと思います。

──新馬のとき、頭が高いのが少し気になるとおっしゃってましたが、2戦目ではだいぶ首をうまく使えているようにも見えましたが。

小牧 頭はやっぱり高いですけどね。でも追うごとに応えてくれるというか、しっかり伸びてくれましたね。これからどう成長していくのか、ホントに楽しみになりましたわ。

──ちなみにですが、頭が高い、低いというのは、どういう点で影響があるのですか?

小牧 ん〜、理論的に言えば、下に下に首を使える馬のほうが推進力があるんやろうけど、頭が高いからアカンというわけではないからね。距離適性に関しても、ナムラクレセントなんかは頭が高いけど長い距離のほうがいいし、スマイルジャックは逆に首が低いタイプだけど、短いところがいい馬だしね。

クラレントの良さとは…

──終いの決め手があるのはもちろんですが、乗っている小牧さんだからこそわかる、クラレントの良さはどういったところですか?

小牧 道中、あんまりムキにならないところがいいですね。2戦目の競馬で馬も行くことを覚えただろうけど、それでも出して行ってるわりには、すぐに折り合いがついてね。

──次走は東スポ杯を予定していますね。道中、ムキにならないということは、1ハロン距離が延びるという点でも心強いですね。

小牧 そうですね。距離が延びても大丈夫だと思います。東京コースも、じっくり乗れば乗っただけ、伸びてくれるんじゃないかと思ってます。

【次回の太論は…】
近年はシルポートやキャプテントゥーレなど、逃げ馬での活躍が目立つ小牧騎手。次回は、この“逃げ馬”に注目し、道中のジョッキー心理に迫ります。

【質問コーナー】
■好きなお酒はなんですか?

小牧 ビールが一番好きです。毎日晩酌してます。飲みに行ったときは、ビールのあと、焼酎を飲んだり、ワインを飲んだり……なんでもOKやね(笑)。

■鹿児島県のご出身ですが、地元に帰ったときは鹿児島弁で話しますか? 普段は関西弁かと思うのですが。

小牧 地元に帰ってもこのままです。帰ると「鹿児島弁でしゃべらんかい!」って言われるんやけどね。もうわかんない(笑)。15歳からこっちにいるからねぇ、もう混ざってしまって。普段は関西弁がちょっとなまったような感じでね。イントネーションが関西弁とは違うんかなぁ…。
質問募集
太論 / 小牧太
このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。あなたから
コラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
質問フォームへ

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング