大きな期待を持って挑んだマイルCSは、残念ながら14着。今回は、その道中の心境や、自身の反省点、そして、リディルの今後の可能性について、ありのままの気持ちを語ってくれました。
■掛かったことがすべて…筋肉痛になったわ
──11月3週目の土日メインは、どちらも残念な結果に終わりました(東京スポーツ杯2歳S13着、マイルCS14着)。
小牧 競馬はホントに難しいね。まずはファンの方に謝りたいです。土曜日(クラレント)は放馬してね…。日曜日(リディル)は、とにかく引っ掛かりました。外枠っていうのもあったけど、見た目以上に引っ掛かって。もう、そのあと筋肉痛ですわ。腕がパンパン。それくらい引っ掛かった。
──マイルCS一戦で、筋肉痛になったということですか?
小牧 うん。あのレースだけで。よっぽど引っ張ったんやね。
──今回は、そのマイルCSについていろいろとお聞きしたいんですが、レース前の雰囲気はいかがでしたか?
小牧 馬はすっごく良かったです。前回(スワンS)は、もうイレ込んでイレ込んで、ゲート裏でも、すぐに引っ張ってもらうくらいだったんですけど、今回はすごく落ち着いていて、雰囲気はホントに良かった。
──では、小牧さんとしても、かなりの手応えを持って挑まれたんですね。
小牧 勝てると思ってました。でもまぁ、あまり力まずに、いつも通りに乗っていこうかな、とは思ってたんですけどね。ゲートがね、いくぶんいつもより出遅れ気味になって。それでも、最初の1ハロンはどうにかうまく乗れたんですけど、その1ハロンを過ぎてから最初のコーナーまでが、もうグーン!って持っていかれて。やっぱり、それだけデキも良かったんでしょうね。そこで掛かったのが、最後の直線で影響しましたね。
──掛かったシーンはありましたが、直線に向くまでは手応えも良さそうに見えました。小牧さんご自身は、直線はどんな心境でしたか?
小牧 最後の直線以前に、掛かった時点で「あぁ…」と思いました。4コーナーでも、一見、余裕があるように見えたかもしれないけど、手応えはかなりあやしかったです。
──これまでにも、同じようなことはあったんですか?
小牧 その前のスワンSでもけっこう掛かり気味で。ジョーカプチーノを突くくらいの勢いで行っていたので、やっぱり折り合いは心配でしたね。
──当日は稍重でしたが、馬場の影響はありましたか?
小牧 まぁ、稍重は苦にしないけど、やっぱり良馬場のほうがいいよね。あとは、終わってみれば、内枠のほうが良かったね。もともと馬場は悪かったけど、風の影響で内が乾きだして、メインのころは内のほうが残る馬場になりましたもんね。
──枠順が発表されたときは、『よっしゃ!』っておっしゃってましたよね。
小牧 そうそう。外枠から気持ちよく走らせたいな、と。スピードが違うと思っていたので、2、3番手くらいで折り合いだけ気を付けて…ってイメージしてたんだけどね。
──小牧さんご自身の反省点というと?
小牧 外枠だったっていうのもあるけど、掛かったのがすべてですからね。ホントにもう、そこだけですわ。だから、僕自身の反省点も、掛からせてしまったことに尽きる。思い描いていたスタートができなかった時点で、我慢させずに行かせてしまってもよかったのかなと思います。遅れたことで、番手は気にせずにいこうって思ってしまったのが、いけなかったのかなと今は思いますね。
──でも、敗因がはっきりしているぶん、今後につながるのではないですか?
小牧 なにせね、馬が短距離馬になってきているような気がします。前走で1400mを使ったことも、多少は影響してるやろうね。
──橋口先生とは、レース後にどんなお話をされましたか?
小牧 同じことをおっしゃってました。先生も『1400mを使ったのがあれだったかな…』と。
──能力があるのは間違いないですからね。では、今後のリディルの可能性は?
小牧 ちょっと短いところのほうがいいかもしれない。前回から思ってましたけど、1200mでも十分やれると思いますし。それぐらいのスピードがある馬です。高松宮記念あたり、行けたらいいなと思いますね。
──1200mは確か、未経験ですよね?
小牧 そうですね。でも今はむしろ、1200mのほうがスピードを生かせるんじゃないかと思います。
──それはそれで、新たな楽しみがありますね。ちなみに、マイルCSの夜はどんなふうに過ごされたんですか? 落胆もあったと思うのですが。
小牧 いや、終わってしまったことは仕方がないんでね。実はその夜、上村クンとご飯を食べに行く約束をしていて。僕は京都で、彼は新潟だったんですけど、ふたりともメインを勝てるチャンスのある馬に乗っていたので、男ふたりでお祝いしようと思ってね(笑)。豊中にすごく河豚がおいしいお店があって、そのお店で待ち合わせをしてたんです。でも、僕は負け組で、彼は勝ち組(福島記念をアドマイヤコスモスで勝利)で(笑)。その夜は、上村クンにごちそうしてもらいましたわ。
──そうでしたか。おふたりであらかじめ約束をして…というのは、ちょっと意外な気もします。よくおふたりでお食事されたりするんですか?
小牧 しょっちゅうはないよ。あったら気持ち悪いでしょ(笑)。でもまぁ、朝一緒に調教をしているときに、どこどこのなにがおいしいとか、よく話をするんでね。ふたりとも、とにかく“食べること”が好きなんやね。
【次回の太論は?】
東京スポーツ杯2歳Sでは、2番人気に支持されながら、返し馬でまさかの放馬。13着に敗れたクラレントですが、予定通り、朝日杯フューチュリティSに駒を進めます。次回は、その東スポ杯を振り返りながら、朝日杯への抱負をお聞きします。