勝ち時計の1分34秒8はとくに速いものではないが、前半47.9−後半46.9秒のレースラップも、1分34秒8の決着も、昨年のタニノギムレットのレースとまったく同じ。
もちろん、抜け出したタニノギムレットの迫力あふれるストライドの方がはるかに印象的ではあるが、まったく同じ時計を、まったく同じレースラップで記録したのだから、今年のサイレントディール、小差マッキーマックスは期待通りのレベルに達している。また今春の3歳牡馬陣、どの馬、どのレースが基準のレベルになるのか難しいところがあったが、このシンザン記念が格好の基準の「目安」になりそうだ。
サイレントディールは、全姉トゥザヴィクトリーのように追い出して頭の高くなる馬ではないが、マイラータイプのスピード優先型を思わせる点では非常に似ている。
今回は折り合いが最大のテーマだったが、道中1度首を上げかけただけでスムーズに折り合った。自身の刻んだラップは60.1−34.7−11.7秒。スローの流れにうまく乗って早めにスパートする形がとれた。
昨年のタニノギムレットは推定60.3−34.5−11.5秒。ほとんど差はない。
2着マッキーマックスはスタートで出負けして流れに乗れなかった。直線に向いてもなかなかエンジン全開とはいかなかったが、最後は猛然と伸び1分34秒9。マッキー自身の刻んだ中身は60.6−34.3−11.5秒だった。一瞬かわせそうに見えたのは画面の角度のためで、サイレントディールに完敗は確かだが、位置どり、キャリア、レースの流れを考えると、少なくとも互角だろう。大きく成長してくれること必至だ。
レースの流れを考えると、3馬身離れた3着以下は数字以上に差がある。