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NARグランプリ

  • 2012年02月04日(土) 12時00分
 2日に行われたNARグランプリ2011表彰式。今年も私は、司会を務めながら大いに楽しませていただきました。

 今回は、265勝を挙げて地方競馬年間最多勝記録を塗り替えた高知の雑賀正光調教師が最優秀勝利回数調教師賞、34.6%の勝率をマークした兵庫の柏原誠路調教師が最優秀勝率調教師賞をそれぞれ受賞しました。

 雑賀調教師が記録した数字は、3年前に愛知の角田輝也調教師が作った239勝を大きく上回るもの。「今年の目標は?」と伺うと、「(去年の記録を1つ上回る)266勝です!」と力強く宣言されました。ちなみに、去年は92日間の開催で265勝。今年は1月の9日間の開催ですでに29勝を挙げています。このペースなら記録更新も夢ではありません。

 柏原調教師は「最優秀勝率の表彰があるとは知らなかった」そうです。去年、勝率が30%を超えた調教師は全国でだだ1人。戦績を見ると、川原正一騎手を起用しての勝ち星が多く、今年も柏原×川原コンビの出走馬には要注意と言えるでしょう。

 最優秀賞金収得調教師賞を受賞したのは船橋の岡林光浩調教師。去年の地方競馬最高賞金収得調教師はおなじみの川島正行調教師でしたが、管理馬(クラーベセクレタ)の禁止薬物検出があって残念ながら表彰対象から外れ、2位の岡林調教師が繰り上がって受賞しました。岡林調教師と川島調教師は、去年まで3年連続で60勝以上をマークしています。南関東でこの数字を残したのはご両人だけ。しかも去年は東日本大震災による開催中止があっての60勝以上ですから、立派な記録です。岡林調教師は「今年もまず60勝を目指します」とのこと。一方、川島調教師は「来年は最優秀賞の表彰台に戻ってきますよ!」と自信満々でした。

 最優秀調教師賞の3人はいずれも初受賞の方々でしたが、最優秀騎手賞の3部門は3年連続で同じ騎手が受賞しました。最優秀勝利回数と賞金収得騎手賞が大井の戸崎圭太騎手、最優秀勝率騎手賞が高知の赤岡修次騎手。赤岡騎手は、騎乗停止などの制裁がなかった騎手に授与されるベストフェアプレイ賞も受賞しています。こちらは初めての受賞で「目標にしていた賞を取れました」とうれしそうでした。

 ところで、この2人の牙城を崩せる騎手はいるんでしょうか?そう思って、戸崎騎手に「ライバルは誰ですか」と“無茶ぶり気味”に尋ねたら、「自分自身です」という大人の答えが返ってきました。さすがです。

 もっと書きたいことがいっぱいあった表彰式ですが、今回はこのへんにしておきます。

 そうそう、去年の祝賀パーティで衝撃の引退宣言をした兵庫の吉田勝彦アナウンサーは欠席。でも、最近は毎日3レース以上実況していますから、引退は当分の間“棚上げ”でしょう。来年は、吉田さんに特別賞の受賞者として出席してほしいものです。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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