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穴党には厳しい東京新聞杯

  • 2003年01月27日(月) 13時33分
 私はいまのところ予想を内容とする紙媒体の週刊連載を2本持っており(週刊大衆と週刊漫画Times)、東の重賞においては、その2紙が「予想のスタート」となることがほとんどである。

 さらに重賞予想には2つのパターンがあり、1週前入稿となるこれら2誌(入稿曜日は違うのだが)で出した予想の基本線をそのまま維持していきやすい重賞と、状況の変化や、新たなデータの発見によって予想を練り直していかなければならない重賞とがある。

 今週の東京新聞杯は典型的な前者で、まず結論を言うと、ローエングリンの軸は動かしがたい。

 その根拠は
・中山芝1600mの上位条件戦は、1〜2番人気馬が強い
・特に、逃げ・先行タイプの人気馬には逆らいようがない

というものなのだが、その中身をここでまた詳述すると、いま挙げた2誌を読んでいる方にとっては丸かぶりの内容になってしまうのでそれはやめておこう。

 ここで書きたいのは、なぜその方針が揺るがないか、ということの方である。

 スペースの関係でこれも結論から書くが、中山芝1600mの古馬戦というのは、「工夫のしようがない」というか、先述した人気馬の強さ以外に、データ上の目立った特徴が出てこないのである。

 例えば出走頭数をとっても、同じ中山の1800mなら頭数が揃った方が波乱が期待できるとか、2000mだと少頭数の時に意外な荒れ方をしたりといった、ある種の「ムラ」が存在するのである。しかし、1600mはどんな頭数でもデータがフラットで、「頭数が揃えば……」などと、予想を穴方向に誘導するチャンスがない。

 その他の予想ファクターを取ってもだいたい事情は同じである。AJCCのマグナーテンに続く「(配当的に)パっとしない本命馬」になってしまうが、とりあえずローエングリンの相手探しをするしかなさそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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