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SS2騎に注目

  • 2003年02月03日(月) 19時10分
 共同通信杯にはブラックカフェとネオユニヴァース、2頭のSS産駒が登録している。ネオユニヴァースはきさらぎ賞との両睨みだが、もしここに出てくれば同じSSの2勝馬で、ブラックカフェは連続での重賞出走、ネオユニヴァースは500万下からの昇級戦という形になる。

 SS産駒のセオリーでいけば、ネオユニヴァースのようなパターンの方が「買い」だ。若いSS産駒は知名度が浸透してから買うのでは遅く、上がり馬の「上がり際」に買った方がいいのだ。

 京成杯のときに各メディアで発表した話だが、3歳限定重賞(牝馬戦除く)に出走したSS産駒を前走クラス別に分けると、複勝回収率がプラスなのは前走新馬〜1000万条件(秋のセントライト記念なども含まれるので前走1000万条件という馬が出てくる)の馬たち。しかも全クラスプラスなので、傾向としての確かさが確認できる。一方で、前走もオープンに使われていた馬の複勝回収率は50%前後しかない。

 当の京成杯も未勝利戦を勝ったばかりで昇級+格上挑戦の形となるスズカドリームが制したわけだし、傾向にしたがって先述の2択もネオユニヴァース……といきたいところだが、共同通信杯だけは扱いが難しい。

 平成以降の14回をトータルすると、前走クラス別の成績が、

新馬   (3着以内なし/14走)
500万下  連対率13.6%・複勝回収率47%
OP特別  連対率15.2%・複勝回収率77%
G3    連対率31.0%・複勝回収率130%

となっていて、前走重賞組の天下なのである。しかも、2000mからの距離短縮馬がけっこう強く、ブラックカフェは良い傾向にすっぽり当てはまってしまう。

 SSの傾向をとるかレースの傾向を取るかということである。ネオユニヴァースが来週に回れば、悩むことなく「両方とも買う」ということにできるのだが……。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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