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ディープインパクト産駒のジンクスは破られるか!?

  • 2012年03月31日(土) 12時00分
 4月に入ると、いよいよクラシックシーズンが始まります。前哨戦は馬場状態も含めてやや荒れ模様でしたが、さぁ、本番はどうなるでしょうか?まともな予想は他の方に譲って、ここでは1つのジンクスをもとに、春のクラシックを大胆に占ってみることにします。

 そのジンクスとは、みなさんもご存知とは思いますが、ディープインパクト産駒は重賞を2つ勝てない、というもの。2008年生まれと今年3歳シーズンを迎えた2009年生まれのディープインパクト産駒で重賞勝ちを収めた馬は15頭。でも、まだ重賞を2勝した馬は出ていないんですね。

 なんで?と言われても答えは見つかりません。たまたま今のところそうなっているんでしょう。桜花賞でジョワドヴィーヴルかジェンティルドンナ、またはヴィルシーナが勝てば、このジンクスは破られます。今年に入ってからのディープインパクト産駒の勢いからすれば、ひとたび“壁”が打ち破られたら、ガンガン重賞を勝ちまくる馬が出てきてもおかしくないんですが・・・。

 さらに桜花賞は、03年と04年にサンデーサイレンス産駒(スティルインラブとダンスインザムード)が連覇したのを最後に、同じ種牡馬の仔が2年続けて勝ったことがありません。去年はディープインパクト産駒のマルセリーナが勝っちゃいました。これに前哨戦の結果を加味すると、今年の桜花賞の最有力候補はチューリップ賞を勝ったハナズゴールってことになりませんか?

 一方、皐月賞は出走馬の3分の1くらいがディープインパクト産駒になりそうです。もしここでも、「重賞2勝はできない」というジンクスが生きているなら、勝ち馬はかなり絞れますね。ディープインパクト産駒以外で言えば、弥生賞馬コスモオオゾラかスプリングS勝ちのグランデッツァでしょう。そうそう、まだ重賞を勝っていないディープインパクト産駒にベールドインパクトがいます。この馬を狙う手もありそうですよ。

 桜花賞と皐月賞の先、オークス、ダービーの予想となると、ジンクスが破られているかどうかで大きく変わってきます。ただ、ダービーでワールドエースをはじめとする池江泰寿調教師の管理馬が出走してきたら、史上初の調教師によるダービー連覇がかかってきます。騎手では武豊騎手(98、99年)と四位洋文騎手(07、08年)が連覇を果たしていますが、調教師の連覇は皆無。もしそこまでジンクスが生きていて、ワールドエースが出てきたら、二重三重の“初めて”に挑戦することになるわけです。それはそれで見ものになるでしょうね。

 今週の大阪杯とダービー卿CTには、ディープインパクト産駒が1頭も出ていません。ジンクスは破られるのか、まずは桜花賞が注目、というのも、クラシックへ向けた“偶然のお膳立て”になったようです。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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