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超高額配当が続出した中山のダート戦

  • 2012年04月14日(土) 12時00分
 先週7日の中山競馬、ダート戦は大波乱のレースが相次ぎました。

 まず第1レース(3歳牝馬未勝利1800m)が9、11、5番人気の決着で3連単114万7530円。次の第2レース(3歳未勝利1200m)が11、14、6番人気の順で同714万7010円。そして最終第12レース(4歳以上1000万円未満1800m)が5、10、8番人気で決まって同110万3320円。3連単の100万馬券が3本飛び出しました(第2レースは3連複も)。ついでに言えば、第7レース(4歳以上500万円未満1200m)も9頭立てながら3連単が13万5170円という高配当に。いくつか堅めのレースがあったにせよ、1日を通して荒れまくっていた印象が強く残りました(どれか1つでも当てた方、おめでとうございます)。

 どうしてこんなに荒れたのか。お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、1つの要因として考えられるのは馬場状態だと思います。

 この春の中山開催はとにかく雨続き。ダート戦に限って言えば、2月25日から3月11日までの6日間はすべて不良または重馬場で行われました。3月17日は第1レースこそ良馬場だったものの、第2レース以降は稍重。翌18日から25日まで3日間は不良か重。31日は第1〜9レースまで良馬場で行われましたが、最終12レースから翌4月1日の第3レースまではまたまた稍重でした。つまり先週は、この春初めて土日ともに良馬場のままだった、というわけです。

 これだけ雨馬場が続けば、力のいるダートを得意とする馬にはしばらく出番がありませんでした。好走していたのは、どちらかというと速いタイムを出せる馬ばかり。その結果、先週の良馬場のレースでも、近走の成績がよかったスピードタイプの馬に人気が集まっていたみたいです。

 ところが先週7日は、馬場が良に変わったことで、走れる馬のタイプが激変。このところなりを潜めていた力馬タイプが急に好走したため、予想外の結果が相次ぎ、超高額配当が続出したと言えるかもしれません。

 今さら言うまでもなく、ダート戦は、雨馬場になると(よほどグチャグチャの馬場状態にならない限り)、単純なスピード比べになって、わりと予想がしやすくなります。地方競馬好きの私の傾向では、適度に雨が降ってスピードが出やすい馬場になったときのほうが、けっこう馬券が当たります。

 7日の中山はその逆。新聞に印をつけた人も馬券を買った人も、そして馬も騎手も、雨馬場に慣らされちゃった反動で、立て続けに大波乱が巻き起こったってことでしょうか。

 これで来週から東京開催に代わり、しかも良馬場が続くようだと、これまでの傾向がさらに激変する可能性がありそうです。ダート戦に限らず、芝のレースでも、東京の良馬場で大変身する馬が出てくるかも。みなさん、どうかそのへんをご用心の上、いい穴馬を見つけて高額配当をゲットしてくださいね!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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