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堅い重賞弥生賞

  • 2003年03月03日(月) 12時15分
 先週入稿だった週刊誌に始まって、弥生賞に関する原稿を何本か書いてきたが、書けば書くほどテンションが下がっていく。「堅い」という話しか出ない、というか出せないからである。

 そもそも、ダービーより前に行われる3歳牡馬の中距離重賞(1800〜2200m)は、全体として堅い傾向にある。全馬ベタ買いしたときの複勝回収率が100%を超えているのは旧京都4歳特別→時期移行後の京都新聞杯くらいで、それを除くと過去10年(+今年既に終了した重賞についてはそれを含む)の総合複勝回収率が69%である。ちなみに、レース別の単複回収率(京成杯は2000m化の後のみ。旧NHK杯は先述のトータルには入れたがここでは省略)はこうなっている。(複勝回収率順ソート)

(単回収率・複回収率)
共同通信杯(57・90)
きさらぎ賞(189・69)
スプリングS(75・69)
京成杯(37・66)
毎日杯(23・66)
弥生賞(41・50)

 共同通信杯はヤマニンアクロ・キンショーテガラの99年や、今年のリワードシンバル10番人気3着があっても90%までしか伸びなかった。弥生賞は、ハシノタイユウ3着くらいしかぱっとした穴がなく、なんと複勝回収率50%という、超本命傾向である。

 ちなみにこの50%という数値は、データを93〜02年の10年間で揃えた場合、天皇賞春(37%)、フラワーC(47%)、ダービー卿CT(48%)、新潟2歳S(48%)などに次ぐ「ベスト10級の堅い重賞」ということなのである。しかも、前走オープン・重賞勝ち馬の連対率が46.4%と高いうえ、2ヶ月以内に使われていた馬より休み明け馬の方が連対率が高いというデータまであるので、穴党にとっては非常にやりづらい。

 というわけで、ザッツザプレンティが勝つでしょう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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