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2年ぶりの“夏の福島”開催

  • 2012年06月16日(土) 12時00分
 きょう(16日)から、夏の福島競馬が開幕します。われわれテレビ東京「ウイニング競馬」のスタッフも、今週から4週間にわたって福島に出張して、現地から番組をお届けすることになります。

 あらためて言うまでもなく、2年ぶりの“夏の福島”です。過去にも何度か競馬場の改修工事による変則日程で福島競馬が開催されない年がありました。当然ながらその翌年は「2年ぶりの再開」となっていたわけですが、今年に関しては、去年の中止の理由が尋常ではなかっただけに、今までにない特別な感慨を抱いています。

 福島競馬場は、去年3月の東日本大震災で直接の被害を受けました。たとえその後の原発事故がなかったとしても、去年の夏競馬を開催するのは無理だったでしょう。逆に、大地震と原発事故という二重の災難に見舞われたにもかかわらず、よくぞ今年春から競馬を再開できたものだ、とも思います。それこそ、復旧工事や除染作業をできる限りの速さで急いだ成果に他なりません。

 今年の福島競馬中継は、一日も早い競馬再開へ向けて力を注いで来られた方々や、復旧工事、除染作業などに携わった人たち、そして、競馬再開を心待ちにされていた地元のみなさんの気持ちに思いをいたしながらの放送になりそうです。

 ところで、この原稿は開幕前日の金曜日(15日)、福島に向かう新幹線の車中で書いています。なので、肝心の競馬場の様子などはまだわかりません。

 16日に競馬場に行ったら、真っ先に行ってみたいところがあります。それは、スタンド内のとある売店。以前にも夏の福島名物としてどこかでご紹介したような気がするんですが、そこでは新鮮でおいしいトマトときゅうりを売っていたんです。

 夏競馬の期間中は、福島へも新潟へも前日に入るのが原則。で、前日入りしたからには、市内のどこかで一杯やるのが恒例になっています。明けて土曜日、福島で酔い覚まし、いや眠気覚ましの朝食代わりに毎週食べていたのが、そのトマトときゅうりでした。おそらく、近所の畑で採れたばかりのもの。東京ではなかなか味わえないみずみずしさにハマっていました。

 あのトマトときゅうり、今年も食べられるんでしょうか?

 福島の農産物というと、原発事故による放射能汚染を心配される方もいらっしゃるでしょう。そのせいか、東京ではめったに見かけなくなってしまいました。でも、ここで私が軽々しく言うことではないかもしれませんが、今、出回っているものがあるとすれば、口にしても大丈夫だと信じています。そういう状況だからこそ、大丈夫なものだけを出荷しているに違いありませんから。

 どうか2年前までと変わらず、おいしいトマトときゅうりが食べられますように!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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