スマートフォン版へ

昔ながらの雰囲気を漂わせている姫路競馬場

  • 2012年07月07日(土) 12時00分
 3日(火)、姫路競馬場に行ってきました。同競馬場での競馬開催は約2年ぶり。3日はその開幕日で、この後8月30日までの毎週火、水、木曜日と7月16日(月・休)にレースが行われます。

 今年、姫路で競馬が開催されるのは、同じ兵庫にある園田競馬場が、秋からのナイター開催に向けた準備作業で使えなくなったため。去年は大都市圏にあって馬券が売れる園田にすべての開催を集約した兵庫競馬ですが、今年は“やむを得ず”姫路で開催することになったわけです。そんな状況ですから、来年以降、姫路での開催があるかどうかは微妙。姫路の競馬を見るなら今のうち、かもしれません。

 姫路競馬場には、昔ながらの地方競馬の雰囲気を漂わせているところがあります。それはパドック。出走馬の馬名と馬体重、騎手と負担重量を知らせる掲示板が、いまだに“黒板スタイル”なのです。さすがに騎手の名前と負担重量は、(古い野球場のスコアボードみたいに)名前と数字が書き込まれたプレートを掲示するようになっていますが、馬名と馬体重はチョークの手書き。当回レースの出走馬がパドックから本馬場へ出て行くと、その次のレースの表示にするために、大きな黒板を人力で裏返しています。こういう作業を見られる競馬場は少なくなりました。ある意味で必見です。

 もう1つの姫路名物は食堂。入場門を入るとすぐ左手にある建物が食堂で、中はフードコートのように数軒のお店が横並びに連なっています。どのテーブルについて、どの店の品物を注文するか。これは、一見すると自由のようなのですが、お店の前のテーブルがそのお店のテリトリーになっている様子。なので、注文したお店の前あたりに座るのがベターです。

 ただし、注文を決めて席につくまでがちょっと大変。それぞれのお店からの呼び込みがスゴイんです。品定めしようとお店の前を歩いていると、「うどんありますよ!」、「おでん、どうです?」、「カツ丼、天丼、いろいろできますよ!」などと次々に声をかけられます。どのお店で注文してもお互い恨みっこなしですから、気に入ったお店で食べたいものを頼めばいいんですけどね。

 姫路の競馬は、園田とのコース形態の違いや、園田在きゅう馬に慣れない輸送の影響が現れることなどが相まって、けっこう荒れます。穴党ファンにとっては腕の見せどころ。輸送慣れしている西脇トレセンの馬に狙いを定めるというのも1つの手です。

 今年を逃すと、次はいつ見られるかわからない姫路競馬。JRと山陽電鉄の姫路駅前(山陽百貨店の先、交差点を1つ渡ったところ)から無料送迎バスが出ていますので、ぜひ遊びに行ってみてください。そうそう、帰りのバスはわりと早く出発してしまうので要注意です(乗り遅れたら路線バスでどうぞ)。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング