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この夏はフェリーで小倉へ

  • 2012年07月28日(土) 12時00分
 夏競馬も中盤戦。今週から小倉競馬が開幕します。今年は6週12日間の開催。関東圏の競馬中継に携わっているわれわれにはちょっと縁遠いところですが、関西のファンの中には、この季節の小倉遠征を楽しみにしている方もいらっしゃるでしょう。

 OBC(ラジオ大阪)「ドラマティック競馬」でおなじみの濱野圭司アナウンサーも、小倉への出張を“エンジョイ”している方の1人。その濱野さんから聞いた話で「うらやましいなぁ」と思ったことがあります。それは、「関西と小倉の往復にはフェリーを使える」ということです。

 われわれにとって、夏競馬(福島、新潟)出張の交通手段と言えば新幹線。在来線や高速バスを使うという手もありますが、選択肢は陸路しかありません。

 一方、関西と小倉の間を移動するには、陸、海、空すべての交通機関を利用できます(空路は福岡を経由する必要がありますが)。

 中でも魅力的なのがフェリー。関西〜小倉間の移動に使えるフェリーには、以下の航路があります。
◎泉大津〜新門司
◎神戸(六甲アイランド)〜新門司
◎大阪南港〜新門司

 いずれの便も、夕方に出発して朝に到着というスケジュール。新門司発便の中には小倉の最終レースまで観戦すると間に合わないものがありますが、けっこう使い勝手のいいダイヤが組まれています。

 私も、関西から九州への移動に大阪南港発のフェリーを利用したことがあります。19時50分発、翌朝8時30分着という便。1人用個室を予約して、出航1時間前の乗船開始と同時に乗り込みました。

 個室に荷物を置いて真っ先に向かったのが大浴場。なぜ真っ先に行ったかと言えば、後になればなるほど混み合うだろうと思ったもので。実際、出航する頃には次々に乗船客がやって来てかなりの混雑。案の定でした。

 風呂上がりはもちろん夕食。和洋中のメニューがズラリと並ぶ中から好きなものを取って精算するカフェテリア方式です。アルコール類も豊富。なにしろ“帰る心配”がほとんどないので、ユッタリ飲んで食べられます。

 夕食の後は、船内各所に設置してあるソファでくつろぎながら飲み直しました。そうこうしているうちに夜が更けて、個室のベッドへ。瀬戸内航路ですから揺れも少なく、朝までグッスリ眠れました。

 翌朝は、まずシャワーを浴びてからレストランで朝食。そして身支度を整えると、やがて到着となりました。まさに“海のホテル”。この快適さはフェリーならではでしょう。

 小倉競馬の行き帰りに、こんな優雅な船旅を楽しめるなんて、関西の人はいいですねぇ。大阪・別府航路を使えば、別府で朝湯に入ってから小倉入りすることも可能です。この夏はフェリーで小倉へ。いかがですか?

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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