昨年、アドマイヤコジーン以下に3馬身半の大きな差をつけて圧勝したショウナンカンプの時計は、1分8秒4(32.9−35.5秒)だった。その前2戦、京都と中山で連続して1分7秒台を記録していたショウナンカンプが1分8秒4なのだから、春の中京Bコースは、1200mで0.5〜0.8秒は絶好の芝状態の時よりかかることが多い。一昨年、トロットスターも1分8秒4、00年のキングヘイローも1分8秒6だった。
しかし、今年の芝は多少なりともここ3年よりいい可能性がある。というのは、先週の1000万特別の勝ち時計が1分8秒4(昨年の同じレースは1分10秒1)。500万特別でも1分9秒6(昨年は1分10秒4)が出ている。わずかの差かもしれないが、少なくとも昨年より悪いことはなく、他のレースから推測すると、今年の高松宮記念は1分7秒台の後半になっても不思議はない。
そうなって有利は、文句なくショウナンカンプだろう。再三、1分7秒台で乗り切っているうえ、前半の3ハロン最高32.0秒まである。これまで芝での敗戦は、みんな少し時計のかかる芝(特に函館など)だった。
この快速馬、父は古馬のベテランになって本物になったサクラバクシンオー。母方もきわめてタフな一族(マックイーンや、メジロファントムの牝系)で、祖母の父はタケシバオー。本当に完成されるのは今年だろう。
1分8秒を切ると仮定すると、持ち時計のない伏兵はかなり不利。13番ネイティヴハートあたりも時計がカギになってくる。
今年、怖いのはアメリカの2頭だ。平坦コース、小回りの左回りはアメリカと同じ。これまでのスプリンターズSに挑戦、コーナーを回れずに凡走した馬とは違うだろう。1分8秒前後で2頭とも乗り切れるとみる。
人気は武豊の選んだ9番ディスタービングザピースの方だが、芦毛の11番エコーエディの方が怖い。