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藤田伸二騎手の“公約”に期待

  • 2012年08月25日(土) 12時00分
 先週の当コラムで、「19日(日)、Aiba札幌駅前で、ばんえい競馬の場立ち予想会をやります。その前に、私が札幌競馬場の場内をウロウロしているところを見つけて、『これからAibaに行くよ』と声をかけてください」なんていうお願いをしました。はたして、その反応はあったでしょうか?

 答えは、残念ながら「全くなし!」(トホホ)。札幌記念発走の時点では、当コラムに注目していただいている方が4人、いらっしゃったんですけど…。

 でも、仕方ありません。当日の入場人員は33751人。その中から「私を見つけてください」なんて、“ウォーリーを探せ”より難しい話だったようです。せめて、「第10レース終了後、ゴール前のあたりにいます」とか、「ばんえい競馬のプラカードを持って歩いています」くらいの約束事を決めておけばよかったかな。そうそう、そんな時こそツイッターっていうものが役に立つのかもしれませんが、私まだ始めてないんですよね。

 それはさておき、翌20日に帯広競馬場で開催された「第6回JRAジョッキーDAY」は、とてもホノボノした楽しいイベントになったと思います。

 当日、いちばんハシャイでいたのが、“ばん・えいじ”こと和田竜二騎手。胸に「ばんえいじ」、背中に「そこに坂があるから」と書かれた白服に全身を包み、素浪人だかなんだかわからない(たぶん馬のかぶり物のつもりの)カツラをかぶって、場立ち予想や表彰式で暴れまくっていました。彼は前日に小倉で騎乗していたんですから、帯広まで遠路はるばる駆けつけるだけでタイヘンだったはず。それで“宴会部長”も務めてくれたなんて、実にありがたいことです。

 JRAジョッキーとばんえいの騎手がペアを組んでソリに乗り、現役の競走馬を操って争う恒例のエキシビションレースは、第1戦で1着、第2戦で3着となった荻野琢真騎手が総合優勝しました。これまで何度も観戦に来てくれてはいたものの、正式な参加メンバーになったのは今回が初めてだった同騎手。ばんえい競馬に乗ることは本当に念願だったようで、そういう彼が優勝したというのはこちらとしてもうれしい限りです。

 イベントの締めくくりに、リーダー役の藤田伸二騎手が「来年は札幌競馬がないので(参加者を集めるのが)ちょっと大変ですが、もっともっとファンのみなさんに楽しんでもらえるように企画を考えます」と言ってくれました。なんてったって、世界でここでしか見られないたった1つのイベント。ばんえい競馬が続く限り、毎年欠かさず開催してほしいものです。

 回を重ねていけば、ばんえいの騎手がアシストすることなく、JRAのジョッキーが単独でソリに乗って争うレースが実現するかも。とにもかくにも、来年に向けた藤田騎手の“公約”に期待しましょう。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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