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凱旋門賞当日はアラブ世界一決定戦も!

  • 2012年09月29日(土) 12時00分
 今週も凱旋門賞の話。と言っても、ちょっと角度を変えてみます。

 凱旋門賞は、10月第1週の土・日曜日にロンシャン競馬場で開催される“Prix du l'Arc de Triomphe weekend”のメインレース。この2日間には他にも多くの重賞競走が行われます。以下はその一覧です(順不同)。

【6日】
*ショードネイ賞G2、3歳3000m
*ロワイヤリュー賞G2、3歳以上牝2400m
*ドラール賞G2、3歳以上1900m
*ダニエルウィルデンシュテイン賞G2、3歳以上1600m
*トータルアラビアントロフィー・ド・ジュマンG1、純血アラブ4歳牝2000m

【7日】
*凱旋門賞G1、3歳以上牡牝2400m
*ジャンリュックラガルデール賞G1、2歳牡牝1400m
*マルセルブーサック賞G1、2歳牝1600m*アベイドロンシャン賞G1、2歳以上直線1000m
*オペラ賞G1、3歳牝2000m
*カドラン賞G1、4歳以上4000m
*フォレ賞G1、3歳以上1400m
*アラビアンワールドカップG1、純血アラブ4歳以上2000m

 ご覧のように、サラブレッドのレースに交じって純血アラブのG1が2鞍組まれています。そのうち、日曜日のアラビアンWCは賞金総額70万ユーロ(約7020万円)。名前からしても純血アラブの世界一決定戦となっているようです。

 アラブ競馬を統括しているIFAHR=International Federation of Arabian Horse Racing(国際アラブ競馬連盟)のまとめによれば、今年1年間に世界17か国で397のIFAHR公認レースが行われるとのことです。レース数が多いのはロシア(81戦)、フランス(80戦)、イラク(53戦)、カタール、UAE(ともに31戦)、スウェーデン(28戦)。アメリカやイギリス、オーストラリアでも公認レースが開催されています。

 今年の獲得賞金額が現時点でトップなのは、昨年のアラビアンWCで2着となったAziz ASF。3月にカタール・ドーハのG1、今月5日にイギリス・バースのG3に勝って6戦2勝。22万7000ユーロ余りを稼ぎました。次いで2月にドーハでG1を勝ったAl Mujahazが約19万5000ユーロで2位。以下、2月にUAE・アブダビでG1を制したNieshan(約16万ユーロ)、3月のドバイ・カハイラクラシック(ドバイWC当日に行われるアラブのG1)優勝馬TM Fred Texas(約15万5000ユーロ)と続いています。

 ということは、優勝賞金35万ユーロのアラビアンWCを勝てば、どの馬でも今年のトップに立てるわけです。世界の強豪アラブが集結すること間違いなし。今回はこのレースにもちょっと注目してみたいと思っています。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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