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驚きのレース後…

  • 2012年10月19日(金) 12時00分
 史上4頭目の牝馬三冠馬誕生となった秋華賞。

 なによりも私が驚いたのは、レース後のジェンティルドンナの様子でした。ヴィルシーナとともに検量室前で周回し、着順の確定を待っていた時の雰囲気が、とてもレース後とは思えない涼しげな表情で、鼻息1つ乱れていなかったのです。

 岩田騎手が、「まだまだ遊んでいる。こんなものじゃない」と表現するその言葉の意味が十二分に理解できましたし、今後ジェンティルドンナ自身が疲れ果てるほどの走りをレースで見せた時には、「どこまで強いのか?」と、底知れぬ可能性を感じました。

 次走はジャパンCに出走することとなりましたが、十分勝ち負けを狙えそうな、そんな雰囲気さえ感じものでした。

 歴史的快挙と言える三冠制覇ですが、後にこれすらもこの馬にとっては通過点と言える未来が待っていそうなそんな予感がします。

 また騎乗した岩田騎手ですがレース当日の午前中に話をする機会が度々あったのですが、明らかにここ最近の中ではかなりプレッシャーを感じていた雰囲気。

 昨年のブエナビスタの経験以降、精神的な面においては強くなり、GIでも楽しんで挑めるようになったと話されていましたが、この日ばかりは、「歴史が変わるかもしれないのだよ」と口にし、勝たなければならないレースに挑む胸の内は、相当なものがあったように感じます。

 それだけにジェンティルドンナの経験が加わった今後、岩田騎手の強さはさらに勢いを増していきそう。スプリンターズSに次いでの秋連続G1勝利。ほんと凄いです。

 さて今週は菊花賞となります。やはり注目はゴールドシップ。私はゴールドシップの2歳戦の時から、菊はこの仔と決めていた馬。

 血統的な背景はもちろんのこと、道中遊びながら走る余裕ぶりと2段階ギアが使えるその脚に、京都の3000mはピッタリの存在。また状態に関しては前走と比べ物にならないほど好ケハイ。体の張りとボリューム感、踏み込みの力強さ、元気の良さがところどころで感じられます。

 相手には長距離向きと感じるタガノビックバンと前走の内容が今回に繋がると感じるラニカイツヨシ、右回りの方が走りスムーズなスカイディグニティまで。

 それでは皆さん、可能ならば週末は競馬場でお逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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