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ユーザーからの質問に太が答える「祐一くんは変わったね」

  • 2012年12月11日(火) 18時00分
「トレセン内で小牧さんを悪くいう人はいない」(by上村騎手)といわれるように、分け隔てのない良好な人間関係を築いている小牧騎手。今回は、そんな小牧騎手にピッタリな質問からスタートします。また、“武豊ファン”であると同時に、“福永祐一ファン”であることも発覚!?

■祐一くんの人間性がすごく好きやねん
──今回は、ユーザーからこんな質問がきています。「同年代や年下の調教師さんも多いと思いますが、調教師とジョッキーという壁を越えて、友達になってしまうようなことはないんですか?」というものです。

小牧 ああ、笹田(和秀調教師)さんとはゴルフ仲間で“飲み友”やで。年齢は僕よりずっと上やけど、競馬場でも“先生”じゃなくて、普通に“笹田さん”て呼んでしまってるわ(笑)。

交友関係は多岐にわたる

交友関係は多岐にわたる

──笹田先生は少し上ですが、最近は小牧さん(1967年生)と同年代の調教師さんも多いですものね。

小牧 そうやね。身近なところでは、友道さん(1963年生)とか、(池江)泰寿くん(1969年生)とかね。あ、“泰寿くん”なんて言っちゃアカンか(笑)。彼はお父さん(池江泰郎元調教師)の厩舎で乗せてもらっているころから、知ってるもんやから。あと、仲がいいのは、元ジョッキーやった牧田くん。彼が現役のころからゴルフ仲間で、家族ぐるみで仲良くしてたから、何かの書類やアンケートでは、友達の欄に必ず僕の名前を書いてましたわ。調教師になってからも、いい馬を乗せてもらってます。

──現役のジョッキーでは、相変わらず武豊さん、上村さんと飲みに行かれることが多いですか?

小牧 うん。小倉での飲み友は、やっぱり“武豊”やな(笑)。プライベートで飲んでても楽しいけど、なにより彼は、同じレースに乗ってるだけで安心する存在。よーく考えてみて。ユタカくんがおらんかったら、ほとんどのレースで僕が抜けて年上ですやん。同世代が誰もいない。

──考えてみればそうですね。

小牧 そう。安藤さんも、最近は騎乗数をグッと絞ってるからね。

──小牧さんと武さんが最年長グループ…。なんだか、時の流れを感じますね。そういえば、ジャパンCのローズキングダムは、ケガがなければ騎乗される予定だったんですか? 武さんが乗ってらっしゃいましたね(16着)。

小牧 どうなんやろ? たぶんケガをしなくても僕じゃなかったと思うよ。

──小牧さんが騎乗する予定だった武蔵野Sのシルクフォーチュンも、武さんが騎乗されました(11着)。

小牧 そうそう、僕の乗り馬を取りやがって(笑)。なんて、ホンマはそんなことまったく思ってなくて、ユタカくんなら、なおさら応援するよ。なんせ僕は、彼が好きやからね。あとね、(福永)祐一くんも好きやねん。

──たしか、前にもおっしゃってましたね。

小牧 うん、すごく応援してる。人間性がね、すごく好きやねん。この人が上に立って、引っ張っていってくれたらいいなぁって思う。彼はそれくらいの精神力を持っている気がするから。

──福永さんは、ご自分の立場を理解した上で、競馬界全体のことを本当にいろいろと考えてらっしゃいますよね。

小牧 そうそう、よう考えてる、いろいろね。彼は賢いねんな。アメリカに行って、乗り方もレベルアップしたと思うよ。レースのあととか「おっ、これはアメリカ仕込みか」とか、笑いながらしれっと言うてんねんけど、本当に変わったと思う。

──小牧さんから見て、福永さんのどんなところが変わったと思いますか?

小牧 追い方もそうやし、レースの流れを見切ってるというかね。今ちょうど、いろいろと試してるんだと思う。馬乗りに正解はないのかもしれんけど、いろいろ試してみるっていうのは、いいことやねん。でも、祐一くんはホントに変わった。今、すごくいい感じやと思う。

多々若手に学ぶことも

多々若手に学ぶことも

──フランスに行った川田さんはどうですか?

小牧 祐一くんほどの変化は感じないけど、彼はもともと、前に行って折り合いをつけられる子。前から思ってたけど、それがすごくいいよね。

──外国人ジョッキーに近いスタイルというか。

小牧 そうそう。最近は馬もそういうタイプが多くなってるから、余計にね。もちろん、すべての馬がそうではないけど、ひと昔前は、道中は後方で折り合いに専念して、直線でビューッと伸びる…っていうパターンが多かったでしょう。でも、馬も競馬も変わりつつあるからね。今は、前に行っていかに折り合いをつけるか。

──前に行くということは、馬によっては掛かるリスクがありながら、それでも出していくということですものね。

小牧 そう、出していってね。それがなかなかうまいこといかない。いろいろ試してるんやけどね。僕もやることはやってんねん、一応(笑)。

──それは重々承知しております(笑)。あと今年は、浜中さんの活躍が目覚ましいものがあります。リーティング争いでも、このまま逃げ切る可能性は十分です。

小牧 そうやね。やっぱり、上手くなってるし、なにより自信をつけたと思うわ。ジョッキーにとって、なにが大事かって、やっぱり自信やねん。いい馬に乗ることはもちろんやけど、それで勝つことでどんどん自信がついてくるんやな。彼はよう追えるようになったと思うわ。

──浜中さんはまだ23歳ですから、これで全国リーディングを獲ったら、おそらく武豊さんに次ぐスピード記録ですよね。

小牧 当時のユタカくんほどの派手さはないけどね。浜中くんも、大きいところをもうひとつふたつ勝てば、さらに変わってくるんちゃうかな。やっぱりジョッキーは、大きいところを勝たんとね。僕もね、最近改めて思うわ。もう一度…、いや、もう一度といわず、やっぱりGIを勝ちたいね。うん、GIを勝ちたい。

──休養中に、改めてそういったことを実感された?

小牧 うん、善臣さんとユタカくんの活躍を見て、改めて思った。もちろん、つねに思ってたことやけどね。GIを勝ったら、ユタカくんを招待して宴会しようと思ってんねんけどな…。GIを勝つのは、本当に難しいね。

【次回の太論は!?】
そろそろ調教での騎乗を開始するという小牧騎手。この回復力の裏側には、特別な“サプリメントパワー”が!? 休養中の日々の出来事や、改めて考えたこと、ユーザーからの質問などなど、次回も熱い太論をお届けします!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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