ロイヤルサッシュ系重賞制覇でラウンドワールドに注目
先月の京成杯を勝ったフェイムゲームと、先週のきさらぎ賞を勝ったタマモベストプレイは、ともに母系がロイヤルサッシュ系だ。サッカーボーイ、ステイゴールド、ドリームパスポートでおなじみの母系で、すでに名牝系の地位を確立している。
名牝系には多産系が多いが、この母系がまさにそれ。また頑健で、仕上がりの早さとしぶとい成長力を兼備しているのが、もう一つの特長。成長の予備ブースターをいくつも持ち、早熟で終わることなく古馬になっても息長く活躍する。いぶし銀の名牝系である。
ステイゴールドがこの名牝系の特長のすべてを体現しているが、フェイムゲームの兄バランスオブゲームも同じ。新潟2歳Sを勝利して以降も、弥生賞、セントライト記念、中山記念(2回)、毎日王冠、オールカマーと6つの重賞勝ちを加えて、7歳までタフに走った。
母のホールオブフェームは11歳時にこのバランスオブゲームを出産。以降も活躍馬を出し続け、19歳時の高齢出産となるフェイムゲームで、再び重賞勝ち馬の母となった。まさに名繁殖牝馬の鏡である。
その点はタマモベストプレイの母ホットプレイも同じ。これまでに出したオープン馬は5頭いるが、最初の重賞勝ち馬タマモホットプレイ(スワンS)は2〜10歳時66戦6勝。次のオープン馬タマモナイスプレイは2〜7歳時42戦7勝。さらに次のオープン馬チャームポットは2〜7歳時36戦5勝。とにかくみんな、落ちても落ちても這い上がり、2歳から高齢までタフに走っている。
今週の共同通信杯に出走予定のラウンドワールドも、やはりロイヤルサッシュ系だ。兄にドリームパスポート(神戸新聞杯、きさらぎ賞、ジャパンC2着、皐月賞2着、菊花賞2着、ダービー3着)がいる。
もし、ラウンドワールドがここを勝つなら、同系から3頭もクラシック候補が誕生することになる。二度あることは三度あるのが、サラブレッドの血統だ。いずれにしても今年のクラシック戦線は、「ロイヤルサッシュ系に要注意」のサインが出ている。