■マイラーズC(G2・京都芝1600m)フルゲート18頭/登録21頭
【コース基本情報】京都芝1600m外 Cコース使用
・コース回収率
[やや低め] 単勝76%・複勝68% 大穴よりも中穴に妙味アリ
・馬連万馬券出現率
[やや高め] 15.6%(平均値△3.6% 馬連平均配当5876円)
・枠番別複勝率(16頭立て以上)
[1枠〜2枠] 勝率6.8% 連対率13.6% 複勝率18.9% 複回率59%
[3枠〜6枠] 勝率6.1% 連対率12.9% 複勝率18.3% 複回率59%
[7枠〜8枠] 勝率5.0% 連対率 8.8% 複勝率16.3% 複回率64%
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[1枠〜4枠] 勝率7.2% 連対率14.8% 複勝率21.2% 複回率70%
[5枠〜8枠] 勝率4.8% 連対率 9.3% 複勝率14.8% 複回率52%
・脚質別信頼度
逃げ>>先行>差し>追込 外回りでもかなり前有利という印象
・推定ラップ&タイム
[底力] 34.4-23.5-34.6=1:32.5 序盤から終盤まで緩まず底力必須の流れ
枠番別成績を見てもらえばわかるように、京都芝1600mの外回りはクセのないコース。とはいえ、単純に内外で比較すると、1枠〜4枠が連対率14.8%・複勝率21.2%で、5枠〜8枠が連対率9.3%・複勝率14.8%と、前者のほうがそれぞれ5%以上も上回っている。外よりも内のほうがいいのは間違いないので、これは忘れないようにしたい。
目立っているのが、人気の盲点となりやすい4番人気〜6番人気馬の活躍。また、7番人気〜11番人気のゾーンも意外なほど馬券に絡んでおり、イメージ以上に波乱含みのコースと言えそうだ。ただし、12番人気以下は[1-1-4-270]で複勝率わずか2.2%と、かなり期待薄。ここはノータイムでスパッと切り捨てて、中穴の取捨に時間を割くべきだろう。
かなり厳しい流れになることも多いコースだが、脚質的には完全に前有利。昨年のマイラーズCでも、逃げたシルポートが1着、好位のコスモセンサーが3着と、先行勢がしっかり残っている。外回りだが差しが決まりやすいコースではなく、人気馬も人気薄も先行勢を積極的に狙っていくべき。前につけられる馬ほど有利だと考えたほうがいい。つまり、最も信頼できるのは「1枠〜4枠に入った逃げ・先行馬」なのである。
【レース基本情報】マイラーズC(G2) 過去10年
・厩舎所属別成績
[美浦] 3-3-3-26 連対率17.1% 複勝率25.7%
[栗東] 7-7-7-85 連対率13.2% 複勝率19.8%
・年齢別成績
[4歳馬] 2-3-4-34 連対率11.6% 複勝率20.9%
[5歳馬] 3-3-4-28 連対率15.8% 複勝率26.3%
[6歳馬] 3-2-2-29 連対率13.9% 複勝率19.4%
[7歳以上馬] 2-2-0-22 連対率15.4% 複勝率15.4%
・前走クラス別成績
[前走中央G1] 1-2-2-18 連対率13.0% 複勝率21.7%
[前走中央G2] 5-2-2-15 連対率29.2% 複勝率37.5%
[前走中央G3] 2-4-4-45 連対率10.9% 複勝率18.2%
[前走OP特別] 1-1-2-25 連対率 6.9% 複勝率13.8%
[前走条件戦] 0-1-0-8 連対率11.1% 複勝率11.1%
開催競馬場が昨年から京都に変更されたが、レースの施行時期はおおむね同じ。コースに関係する部分のデータはまったく使えないが、ステップに関するものなどは一考の価値アリと見て、上記3項目を取りあげた。
中山記念からの出走馬が[5-2-1-12]で連対率35.0%、複勝率40.0%と、圧倒的なほどに好成績。その他では、[0-1-0-19]のダービー卿CT組や[0-0-1-8]の高松宮記念組が、逆の意味で目立っている程度だ。また、出走間隔が連闘〜中3週の馬が[0-3-3-45]と不振なのも、多少は参考になるデータ。休養明け初戦で出走するパターンのほうが信頼できる傾向だと考えられる。年齢や厩舎の東西については、ほとんど気にする必要ナシ。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
開幕週でもあり馬場コンディションは良好。あとは土曜日の傾向待ち。
・天候予測
土曜日〜日曜日あたりに天気が崩れそう。降雨で馬場が渋る可能性も。
・勝利数トップ種牡馬
アグネスタキオン 勝率14.8% 連対率24.6% 複勝率36.1%
・著者の注目血統
ディープインパクト産駒、母父Danzig系の配合馬
勝利数、複勝率ともに高いのが、アグネスタキオン産駒、ディープインパクト産駒、ダンスインザダーク産駒。上位の種牡馬ラインナップを見ても、清く正しいマイル戦といった印象だ。それもあってか、スプリント適性の高いサクラバクシンオー産駒は、当コースで[1-1-1-22]と不振な成績。同コースのG1で2着に来た実績のあるグランプリボスだが、コース適性ではなく「能力」で好走したとも考えられそうだ。
それ以外では、母父にDanzig系種牡馬を持つ配合馬の好成績も目立っているところ。トータル[4-3-7-25]で複勝率35.9%、複勝回収率153%という高期待値で、かなり食指が動かされる。出走が可能そうな登録馬では唯一、エーシンメンフィス(母父Pine Bluff)がコレに該当。血統からの穴馬として注目しておきたい。
★総論×各論
開幕週の馬場+雨予報で、コース自体が持つ「前有利」という傾向が加速する可能性は大いにある。先行力と持久力を兼ね備えた出走馬も多く、そうやすやすと差せるレースにはならない──というのが、現段階における見立てだ。
となると、三連覇のかかるシルポートは、やはり高く評価してしかるべき1頭。さすがに8歳馬ともなると衰えが気になるが、前走の中山記念でも僅差の3着に食い込んだように、その能力に陰りはなさそう。飛び抜けて期待値の高い中山記念組であることも大きなプラス材料であり、ここも好勝負可能と見る。
あとは、カレンブラックヒル、エーシンメンフィス、クラレントまでを上位に評価して、押さえでグランプリボス、ダノンシャークといった評価順。そう大きく荒れるレースにはならないだろうし、このあたりでキッチリ決まる公算が高い。買い方としては、差し・追い込み勢は「届いても1頭まで」と仮定したフォーメーションをオススメしておきたい。
■フローラS(G2・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録22頭
過去10年で、10番人気以下馬が[2-1-3-76]と6頭も馬券に絡んでいるフローラS。3番人気以内馬の[6-5-3-16]で連対率36.7%、複勝率46.7%という成績からもわかるように、かなり波乱含み。2010年のように順当決着もなくはないのだが、昨年や一昨年のように、超人気薄が馬券に絡むパターンを想定したほうが好結果を呼び込めそうだ。
荒れる要因となっているのが、レースレベルの低さと、東京芝2000mというコースの特性。まずは前者だが、今年も出走馬の3分の2が抽選待ちの1勝馬になるという登録状況。それでいて前走重賞組が[5-2-4-42]とアテにならず、昨年、一昨年ともに全滅していたりするのだから、荒れて当然といえる。後者については、昨年秋に行われた天皇賞・秋の当コラムをチェックしてみていただきたい。
枠番以外では、騎手の乗り替わりを重視したいところ。7番人気以下で馬券に絡んだ9頭のうち、実に8頭までが乗り替わりでの出走だった。「継続騎乗の7番人気以下馬」はトータル[1-0-0-32]と超期待薄。人気馬では気にする必要ナシだが、人気薄では鞍上の乗り替わりだけを狙い撃ちたい。
1番人気馬は、前走での上がり3F順位をチェック。3位以内であれば信頼できるが、4位以下だと3着にも来られていない。イリュミナンスやテンシンランマンだと「消し」、ラストグルーヴ、スイートサルサ、エバーブロッサムなら「買い」というジャッジとなる。ちなみに、人気薄となりそうな馬で最もクサいのは、抽選待ちだがインカンデセンスである。
■福島牝馬S(G3・福島芝1800m)フルゲート16頭/登録17頭
昨年はオールザットジャズが1番人気に応えて快勝。しかし、福島での過去8回、1番人気馬は[2-0-1-5]と人気を裏切るケースのほうが圧倒的に多く、3番人気以内まで広げても[4-0-4-16]と大不振。人気馬がアテになるレースではまったくない。
だからといって、大穴がガンガン突っ込んでくるといった感じではなく、最も妙味があるのは4番人気〜7番人気あたりの中穴ゾーン。ここに限れば[3-5-3-21]で連対率25.0%、複勝率34.4%、複勝回収率106%と、かなりの高期待値。「このゾーンの馬が必ず1頭は馬券に絡む」という前提での予想をオススメしたい。
あとは「前走3番人気以内馬」が弱いのも特徴で、トータル[1-1-3-22]で連対率7.4%と、かなりアテにならない。前走で牝馬重賞に出走していた馬であっても[0-0-2-11]と連対ナシ。前走でソコソコ人気になっていた程度の馬のほうが期待できるのだ。
となると、人気馬サイドではアロマティコやオールザットジャズよりも、オメガハートランドやサンシャインのほうが信頼できるはず。穴っぽいところでは、アカンサス、トーセンベニザクラ、マイネオーチャードの3頭に期待を寄せたい。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象
【お知らせ】
次回の更新は筆者都合により4/25(木)12:00となります。予めご了承ください。