春シーズンの激闘の疲れをノーザンファーム空港で癒したフェノーメノは、秋初戦となるセントライト記念に向けて、戸田厩舎に帰厩した。体に幅が出て、春よりも確実にパワーアップしていると佐々木は感じた。
しかしホープフルS、弥生賞と、中山競馬場ではスムーズに運べずに掲示板を外していたため、中山コースが懸念材料と見る向きもあった。一方で、ダービー2着という実績から、負けられないというプレッシャーも陣営にはあったはずだ。
「青葉賞あたりから、レース後にホッとするという感じになっていましたからね。セントライト記念の時も、勝って安心しました」
菊花賞ではなく天皇賞を選んだのは…
実際、セントライト記念は、右回りの不安も一掃するような危なげない内容だった。菊花賞か、天皇賞・秋か。フェノーメノの動向に注目が集まったが、天皇賞・秋を目指すことが発表された。
「当時は