広いコースのGI競走はディープインパクト産駒をどう買うかのゲームになりつつあるだけに、ハンデ戦の小回りコースこそが、血統をちょっと嗜んでいたことの有り難さを実感できるレースなのかもしれません。
七夕賞は小回りコースで行われるハンデ戦。サイト「ブラッドバイアス血統馬券プロジェクト」で注目馬に上げた3頭のうちの2頭、マイネルラクリマ、タガノエルシコが1、3着。
マイネルラクリマの父はチーフベアハート。タガノエルシコの父はマヤノトップガン。いずれも父が非サンデー系種牡馬。(ただし2頭の産駒も母父はサンデー系だったのですが)
そして、今週末に行われる函館記念も小回りコースのハンデ戦。昨年は「ブラッドバイアス血統馬券プロジェクト」で注目馬に取り上げた3頭、トランスワープ、ミッキーパンプキン、イケトップガンがそのまま1着から3着を独占していました。
ミッキーパンプキンの父はダンスインザダーク、イケトップガンの父はマヤノトップガン。七夕賞で穴を出したタガノエルシコの父はマヤノトップガンで母父がダンスインザダーク。つまり、同じような血統がこの時期のハンデ戦で穴を出していることになります。
このシーズン、セレクトセールに行けば「いやーディープってスゲエなぁ」と感心しますが、馬券を買うなら「トップガンってスゲエなぁ」とつくづく実感します。
ボクのように庶民にとっては、セレクトセールは眺めるだけですから、実際にお金を稼がせてくれるトップガンのほうが、この時期は名種牡馬なのです。
マヤノトップガンは父が三冠馬ナリタブライアンも出したブライアンズタイム。母父のブラッシンググルームは父としても母父としても凱旋門賞馬を出した欧州の名血。母母父のヴェイグリーノーブルも凱旋門賞馬。
まさに欧州の名血の塊といえる血統ですが、重厚過ぎるが故に、日本の芝では小回りのハンデ重賞で激戦にならなければ、その豊富なスタミナ、馬力を活かし切ることができません。つまり、小回りのハンデ戦の激戦でこそ「標準的な日本の芝馬場」では能力を発揮しきれない「欧州の名血」の期待値が上昇するわけです。
さて、今年の函館記念のマヤノトップガン産駒は…出ていません(タガノエルシコは函館記念ではなく七夕賞に出てくれて個人的には嬉しかったわけですが)
トップガン産駒と似たようなエッセンスを持つ種牡馬は、ブラッシンググルームとロベルトを持つ欧州の超名血ジャイアンツコーズウェイ(アンコイルド)、トップガンの父ブライアンズタイム(レインボーダリア)、トップガンと同じ3000m以上の日本のGIに実績があるジャングルポケット(エアソミュール)、オペラハウス(メイショウウズシオ)あたり。
「同じ種牡馬(函館記念でいえばトップガン)が出ていなくとも、似たような特性の種牡馬を狙って穴が取れることもあるのが血統馬券の醍醐味です」といいたいところですが、さて?
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