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中穴からの勝負に妙味アリ!/オールカマー

  • 2013年09月18日(水) 18時00分
■オールカマー(G2・中山芝2200m)フルゲート17頭/登録18頭

【コース基本情報】中山芝2200m Cコース使用
・コース回収率
 [やや高め] 単勝83%・複勝78% 1番人気は強いが人気薄の好走も目立つ

・馬連万馬券出現率
 [やや低め] 10.5%(平均値▼1.5% 馬連平均配当4374円)

・枠番別連対率(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率7.0% 連対率16.0% 複勝率21.0% 複回率90% 枠番値-0.2
 [3枠〜6枠] 勝率4.0% 連対率10.6% 複勝率17.1% 複回率61% 枠番値-0.2
 [7枠〜8枠] 勝率9.3% 連対率12.0% 複勝率18.5% 複回率71% 枠番値+0.5
 →3枠〜6枠の期待値が低めで、中山ながら外枠は意外に悪くない。

・脚質別信頼度
 先行>逃げ>>差し>>>追込 先行有利。4角10番手以下だと間に合わない。

・推定ラップ&タイム
 [平均] 35.0-61.1-34.8=2.10.9 ラップの緩急が小さくよどみのない流れに

 当コースの、特に多頭数のレースで目立っているのが「中穴」の高い好走率である。16頭立て以上に限定したデータでは、4番人気〜6番人気馬がトータル[8-10-10-47]で連対率24.0%、複勝率37.3%、複勝回収率114%という高期待値をマーク。人気サイドの信頼度がそれほど高くはないことを考えると、このあたりの人気を積極的に狙っていくのが、効率は最も良さそうだ。

 内枠有利でよく知られる中山芝コースだが、この芝2200mに関してはちょっと傾向が異なっている様子。複勝率が最も高いのは1枠〜2枠なのだが、勝率に関しては7枠〜8枠が最も高く、枠番値も外枠が最も高い。つまり、一概に外枠不利とは言えないのだ。信頼度が最も低かったのは3枠〜6枠の「中枠」で、こちらは複勝回収率も61%と低め。序列は「内枠>外枠>中枠」であると考えたい。

 脚質に関しては、モロに先行有利。16頭立て以上のレースで「4角10番手以下」のポジションだった馬は、トータル[1-1-6-158]で連対率わずか1.2%という超・低信頼度である。軸には、最低でも4角9番手以内、できれば7番手以内のポジションが取れる馬をチョイスすべきコースだと言える。

【レース基本情報】オールカマー(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝996円 馬連1775円 3連複4092円

・1番人気馬成績
 [4-2-0-4] 勝率40.0% 連対率60.0% 複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [6-5-3-16] 勝率20.0% 連対率36.7% 複勝率46.7%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [4-5-7-44] 勝率 6.7% 連対率15.0% 複勝率26.7%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-0-34] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 20.0% [先行] 80.0% [差し] 0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 46.7% [差し] 40.0% [追込] 3.3%

・性別成績
 [牡馬] 10-10-8-89 連対率17.1% 複勝率23.9%
 [牝馬] 0-0-2-5 連対率 0% 複勝率28.6%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
 [4歳馬] 3-2-4-12 連対率23.8% 複勝率42.9%
 [5歳馬] 2-5-1-30 連対率18.4% 複勝率21.1%
 [6歳馬] 3-3-2-20 連対率21.4% 複勝率28.6%
 [7歳↑] 2-0-3-28 連対率 6.1% 複勝率15.2%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 0-2-0-10 連対率16.7% 複勝率16.7% 枠番値-0.1
 [2枠] 0-1-3-10 連対率 7.1% 複勝率28.6% 枠番値-0.5
 [3枠] 2-2-2-9 連対率26.7% 複勝率40.0% 枠番値+1.2
 [4枠] 1-0-1-13 連対率 6.7% 複勝率13.3% 枠番値-0.3
 [5枠] 1-2-1-11 連対率20.0% 複勝率26.7% 枠番値+0.5
 [6枠] 0-2-2-11 連対率13.3% 複勝率26.7% 枠番値±0
 [7枠] 4-0-0-14 連対率22.2% 複勝率22.2% 枠番値-0.4
 [8枠] 2-1-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0% 枠番値-0.2
 ─────────────────────────────
 [1枠〜3枠] 2-5-5-29 連対率17.1% 複勝率29.3% 枠番値+0.2
 [4枠〜6枠] 2-4-4-35 連対率13.3% 複勝率22.2% 枠番値+0.1
 [7枠〜8枠] 6-1-1-30 連対率18.4% 複勝率21.1% 枠番値-0.3

・厩舎所属別成績
 [美浦] 7-3-7-66 連対率12.0% 複勝率20.5%
 [栗東] 3-6-3-27 連対率23.1% 複勝率30.8%

・前走距離別成績
 [〜芝1600] 0-1-1-2 連対率25.0% 複勝率50.0%
 [芝1800m] 0-0-2-9 連対率 0% 複勝率18.2%
 [芝2000m] 7-4-4-46 連対率18.0% 複勝率24.6%
 [芝2200m] 3-3-0-5 連対率54.5% 複勝率54.5%
 [芝2400m] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝2500〜] 0-2-2-21 連対率 8.0% 複勝率16.0%
 [ダート戦] 0-0-1-5 連対率 0% 複勝率16.7%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 4-4-1-8 連対率47.1% 複勝率52.9%
 [前走中央G2] 5-1-3-17 連対率23.1% 複勝率34.6%
 [前走中央G3] 1-4-4-41 連対率10.0% 複勝率18.0%
 [前走OP特別] 0-1-1-18 連対率 5.0% 複勝率10.0%
 [前走条件戦] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 0%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [中1週] 0-0-0-9 連対率 0% 複勝率 0%
 [中2週] 1-2-1-12 連対率18.8% 複勝率25.0%
 [中3週] 1-3-2-16 連対率18.2% 複勝率27.3%
 [中4週〜8週] 4-0-4-21 連対率13.8% 複勝率27.6%
 [中9週以上] 4-5-3-35 連対率19.1% 複勝率25.5%

・注目出走パターン
 [特注] 前走で宝塚記念か札幌記念に出走(連対率48.0%、複勝率56.0%)
 [買い] 前走で芝2000m戦に出走してひとケタ着順(複勝率31.9%)
 [買い] 4歳馬(連対率23.8%、複勝率42.9%)
 [不振] 前走ハンデ戦で6着以下(複勝率4.0%)

 平均配当は単勝996円、馬連1775円、3連複4092円とかなり低め。堅く決着していたイメージはあったが、連対馬20頭のうち19頭までが6番人気以内で10番人気以下馬はすべて4着以下という、徹頭徹尾「荒れない」結果となっている。

 コースデータと同様に目立っているのが「4番人気〜6番人気」馬の強さ。過去10年[3-5-4-18]で複勝率40.0%、複勝回収率115%と、その期待値は非常に高い。また、1着馬における先行脚質のシェアが異様なまでに高いこと(差し・追い込み脚質は未勝利)や、中枠の弱さといった特徴も、コースデータとまったく同じ。コースにきわめて忠実な結果が出ているレースだと言えそうだ。

 前走距離別で図抜けて高い信頼度を誇っているのが、前走で芝2000m〜2200m戦に出走していた馬。トータル成績[10-7-4-51]と、馬券に絡んでいる馬の大半がこの条件に該当している。また、前走での「格」が成績に直結しているのも、オールカマーの面白い特徴。前走で中央G1、または中央G2に出走していた馬が[9-5-4-25]で連対率32.6%、複勝率41.9%と絶好調なのに対して、それ以外の馬は[1-5-6-69]で連対率7.4%、複勝率14.8%と、数段劣る成績しか残せていない。

 つまり、オールカマーで狙うべきは前走で「芝2000m〜2200m戦」の「中央G1または中央G2」に出走していた馬──というのが、レースデータから見た結論となる。そして、この両条件を満たすローテとなるのが、前走札幌記念組と前走宝塚記念組。今年の登録馬でこれに該当するのは、アスカクリチャン、ダノンバラード、ネコパンチの3頭だけである。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 火曜日は異様なほどの差し馬場だったが今週はCコース替わり。土曜日の結果に注目。

・天候予測
 秋晴れが続き穏やかな気候に。良馬場での開催が濃厚。

・勝利数トップ種牡馬
 ステイゴールド 勝率11.8% 連対率21.6% 複勝率27.5%

・著者の注目血統
 ステイゴールド産駒

 今開催の中山は、開幕当初から差しが決まりやすい状態にあった印象。とはいえ、代替開催となった火曜日の結果は、ちょっとした「異常事態」である。芝での6レースで馬券に絡んだ合計18頭のうち、じつに15頭までが差し・追い込み脚質。前有利の中山芝でこのような結果が出るのだから、かなり外差し有利の馬場バイアスにある。

 これが今週末になってどのように変化するかは読みづらいが、通常の中山芝よりも差せる状況であるのは確実。B→Cコース替わりで前有利になる可能性もあるが、こればっかりはフタを開けてみないと何とも言えない。オールカマーの買い目は、土曜日の芝レースでの結果をしっかり吟味した後に決めたほうがいいだろう。

 好成績をあげている種牡馬の産駒があまり登録していないのもあって、血統ファクターはあまり気にしなくて良さそう。勝利数トップのステイゴールド産駒にしても、好成績とはいえ「ズバ抜けている」という程ではない。イメージとしては、末脚のキレに特化した配合よりも、少しパワー型の配合馬のほうが合いそうなコース。となると、ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒に向くかどうかはビミョーだ。

★総論×各論

 コースデータ、レースデータともに堅め決着傾向にあるのは、既に解説したとおり。しかも、1番人気〜3番人気馬といったガチ人気馬ではなく、その下の「中穴ゾーン」が強い──という点についても共通している。この点を念頭に置いた上で、オールカマーの各論へと入っていくとしよう。

 当データ分析で今回トップ評価となったのは、札幌記念2着からのローテで出走するアスカクリチャンだ。前走では勝ったトウケイヘイローにぶっちぎられたが、アレは特殊な馬場の影響が大。函館記念、札幌記念と連続好走した実績を素直に評価したい。適度にパワーが要求される今の中山芝は、実績的にも血統的にも合いそうで、しかも前述の「中穴ゾーン」にも該当してくれそう。妙味の高さも魅力の1頭だと言える。

 二番手評価に、宝塚記念で2着に好走したダノンバラード。こちらは上位人気に推されそうだが、好位で流れに乗れるレースセンスの良さは大きなプラス。AJCCを制しているように中山適性も証明済みで、この父の産駒にしては末脚のキレに頼らないタイプだというのも、このレースに関してはいい材料だ。

 以下は、ムスカテール、オーシャンブルー、メイショウナルト、サトノアポロ、ダイワファルコンといった評価順。紅一点のハナズゴールについては、ローテや脚質などマイナス材料が目立っており、さらに距離や折り合い面での不安もあるとなると、ちょっと手を出しづらい。思いっきり外差し馬場になった場合は「買い」だが、それ以外のケースでは「消し」というのが、現段階での見解である。

■神戸新聞杯(G2・阪神芝2400m外)フルゲート18頭/登録20頭

 オールカマーとは違って「ガチ人気馬がどこまでも強い」のが、現在の神戸新聞杯。条件が変わってから6年が経過したが、3番人気以内馬がトータル[5-4-4-5]で連対率50.0%、複勝率72.2%という結果を残しているのだから、穴党の出番などほとんどナシ。今年も、順当に決着する公算がきわめて高いと見る。

 こちらもオールカマー同様に前走レースの「格」がモノを言うレースで、前走で条件戦やオープン特別に出走していた馬は[0-0-2-35]とほぼ壊滅状態。ちなみに、3着に入った2頭は後の菊花賞馬であるオウケンブルースリとビッグウィークで、いずれも前走1000万下特別を1番人気で制していた。

 このパターンに当てはめると、前走で重賞以外に出走していた登録馬で馬券に絡む可能性があるのは、ヒルノドンカルロとラストインパクトの2頭だけ。それ以外はすべて「消し」評価としたい。

 次に前走重賞出走組の扱いだが、こちらは「前走ダービー5着以内」というのが最強パターン。[5-4-0-3]で勝率41.7%、連対率75.0%という数値を叩き出されては、グウの音も出ない。今年の登録馬でこの条件を満たすのは、ダービー2着馬であるエピファネイアのみ。連軸はもちろんのこと、1着固定でもかなり安心して買えそうだ。

 ダービーでひとケタ着順だったテイエムイナズマとタマモベストプレイ、ラジオNIKKEI賞の2着馬カシノピカチュウが相手本線。これに前述のヒルノドンカルロ、ラストインパクトを加えた5頭へエピファネイアから流す馬券を推奨したいが、オッズ的に相手を5点も取れるかどうかは微妙なところ。資金配分に強弱をつけるといったひと工夫が必要となってきそうなレースである。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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