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第38回 丹下の予想に懺悔しな! の巻

  • 2013年09月30日(月) 18時00分
丹下さんと飲み過ぎ二日酔いでダウン

丹下さんと飲み過ぎ二日酔いでダウン

(第37回までの超ざっくりとしたあらすじ)
「必勝法を見つけた!」という1通のメールがきっかけで始まった、ひとりのサラリーマンの泣き・笑い満載の馬券ドキュメント。当企画の主人公のオオヤブは、毎回ネット競馬のサイト『netkeiba.com』から馬券のヒントになるものを探し出し、それを元に手を変え品を変え、馬券を購入するという方法をとってきたが、春の青葉賞の会心ヒットを境に大スランプに突入。以降、オオヤブは迷走をはじめ、連敗続きで完全に自分を見失ってしまう。業を煮やした編集部はオオヤブにコーチをつけることを画策。6月の日刊競馬の看板評論家・柏木集保氏に続き、7月は東スポの渡辺薫氏を臨時コーチに迎えての馬券修行。そして8月、3人目の臨時コーチとして丹下日出夫氏を招聘し、さらなる馬券修行にいそしむオオヤブであった。
 6Rの新馬戦でかろうじて馬券を的中させたものの、直線で大声(というか嗚咽?)を出したせいで、一気に活動限界に突入したオオヤブ。だが、トイレにダッシュをかまして戻ってくると心なしか、青かった顔に赤みが戻ったよう。いよいよオオヤブ、復活の時か!?

◆復活したオオヤブだが馬券がキワどくハズレて再ダウン!?

『いやあ、この企画が映像だったら間違いなくモザイクが入るモンを放出しちゃいましたよ。ウミガメのような涙を流してしまいました。でも、これでようやくシャキッとしてきた! 7Rは平場だし、酷い状態だったんで買うつもりなかったんですが、なんか頭が覚醒しちゃったもんで馬券買ってきま〜す』

 締め切りまであまり時間が無い中で、オオヤブが急いで買ってきた馬券は、

『トイレで波動砲を発射している最中に、昨日丹下さんが言っていたことが走馬灯のように浮かんできまして』

 し、死にそうだったの?

『ラップや時計の話をしてくれた丹下コーチとの思い出が……、うっ、もうこれ以上は』

 勝手に殺すなよ〜。お前、マジでこの業界いられなくなるぞ。

裏を買っておかずにハズレ…

裏を買っておかずにハズレ…

『とりあえず、東スポの馬柱で時計比較をしてみたんですよ。良馬場時の時計を見ると、7.4.11.が良さそうだったんで、この3頭を1着付けにした馬単で買います。ヒモは当然7.4.11.に、1.14.と丹下さんが言っていたダート替わりの6.9.を加えて3600円っす』

 丹下さんからの受け売りラップ理論の講釈をこちらに垂れつつレースを見ていたら、これが痛恨の結果に。1着はヒモにした1.で、2着には1着付けにしていた軸馬の1頭4.が入線。1→4で配当は133倍。2〜4着がオオヤブの軸馬だからほぼ完璧な予想なのに、裏を買っておかずにハズレとは……。

『♪こんなハズレ! ♪着順がズレ!』

 下手なライム(韻)だなっ、て、そっちのラップ理論だったのかよ!?

◆軸馬が好走しているのに思い通りの着順に来ないジレンマ

 いよいよ8Rからはオオヤブ待望の特別戦。まずは障害重賞なので、オオヤブもここは控えめに買う。だが、7Rに続いてここも1着付けにした4.ハードダダンダンが2着。最後の直線で「ハードダダンダン」と連呼したオオヤブは、レース後にひとりでえづきっ放し。

ハードダダンダン2着で

ハードダダンダン2着で

『ハードダダンダンで息が止まりそうになって、今度は柏木さんとの特訓が走馬灯のように甦ってきました。そういえば柏木さんが「馬券の種類もたくさんあるから臨機応変にね」って言ってたんですよね。僕はなんで1着付けにこだわってたんだろう。次は2着付けも押さえます』

 で、次の9Rは丹下さんオススメの両津湾特別。オオヤブは馬単で買うつもりが丹下さんの本命4.モルダバイトは単勝2倍強の1番人気。

『8頭立てで4.のヒモが4頭。馬単裏表じゃ妙味ないし、ここは3連単で一気に勝負。4.は2着は外さないだろうから、フォーメーションで1、2着に置けば大丈夫っしょ。対抗と単穴の2.と1.には厚めに買っとくかな』

 で、勝負資金が残り17000円ほどしかないのに7400円を投入。丹下さんが予想するレースはまだ3つ残っているというのに、この大盤振る舞い。ここでハズれるとは露にも思っていないオオヤブ。確かにここでは能力&展開的に凡走はないとは思うが……。

『モルダバイト♪ ハズれりゃバイト♪』

 調子の乗ってオオヤブが縁起でもないバカ・ラップをカマしていたら、なんとそれが現実に!? 本命のモルダバイトは最後の直線で粘れず3着。2着付けも買ったら3着なんて、まあ競馬なんてそんなもんだ。

『ありゃりゃ、マジでバイト必要かな。でも次も丹下さんの勝負レース。ここも突っ込むぜ!』

 続く10Rの丹下さんの本命は「大物かも」と言っていたトーセンハルカゼ。しかも単勝オッズは11倍強。こりゃ俺でも買いたくなるぞ。

『ここは絶対ハズしたくないよなあ。丹下さんは単勝勝負って言ってたけど、ここはトーセンの1頭軸マルチの3連単! ヒモは6頭で占めて9000円なりよ。入ればここまでの負債をすべて取り返せるなりぃ』

 なんていってたら、トーセンは3着に入ったのに2着の9.アロヒラニが痛恨のヌケ。丹下さんが印を打っていた馬ではないが、ぶっちゃけいうと、このアロヒラニ、オオヤブが最後まで残すかどうか迷った馬だった。

『武士の恥なり、武士の恥なり! いやあ、丹下殿の予想はお見事でござったが、肝心の拙者の調子が上がらないとは、これいかに! ケプコン、ケプコン!』

 お前はどこのコロ助だよ! それとも単なるオタクの方でしょうか?

◆天罰か!? 当たって悔しがるオオヤブに悪夢が!

 オオヤブの残金は860円。今回は編集部側にもホワイトナイト的余裕はなく(単なる金欠)、オオヤブは急いでおかわりのジャックニクラウス投入。遠慮がちに諭吉一枚を補強して、メインレースに挑むご様子。

11R馬券

11R馬券

『さすがに丹下さんが本命に推したアロマティコは堅い! 僕でもこれはわかる。ここは1着付けの馬単でノープロブレムですよ。相手は丹下さんが印を打った3.4.5.9.10.に、前回のコーチの東スポの渡辺さんが印を打っている2.を押さえます。少額ずつ流しても仕方ないのでここは1000円ずついきま〜す』

 するとアロマティコは楽勝の1着で、2着に4.のマイネオーチャード。的中したが、悔しがるオオヤブ。僅差の3着は3.のアロマカフェだったが、こちらが来れば配当は30倍超。オオヤブは内心でアロマ、アロマと叫んでいたという。お前はロハスな主婦かっ! いいじゃん、特別ルールで100本ノック的には一気に8本減るんだから(詳しくは第37回を
読んでね)

『ちっ、払い戻しが5000円じゃ、焼け石だぜ。くそぉ! 最終はオオヤブ式ラップ理論で勝負だ!』

 と、やさぐれるオオヤブは3.のタニセンジャッキーを軸に3頭へ流すも、直前でなんと競走除外。「返還があります」のアナウンスに、口ぽか〜ん。レースはオオヤブのヒモ本線2頭で決まるという見事なオチ。なんだか煮え切らないので、戻ってきたお金で北九州記念を前売り購入。丹下さん本命のローガンサファイアの一発にかけてみた。しかし、結果は残念ながら差し届かず4着。翌日の夕方、すかさず届いたオオヤブからのメールには、幸四郎に対する恨み節と、丹下さんへの懺悔が書かれていた。丹下さん、マジな話、懺悔の神様になってヤツの頭からバケツで水かけちゃってくださいっ!

現在の馬券的中数 75本
ゴールまで残り 25本

次回から新展開!

次回から新展開!

【次回予告】
9月からの馬券100本ノックは新展開。3人の特別コーチの手ほどきを受けて、ひと皮剥けた(?)オオヤブが、プロ馬券師に果たし状。1回目の対戦相手は「馬券総合倶楽部」でおなじみ、「着差数値」を武器にスマッシュヒットを飛ばす、あの男が登場!


【馬券100本ノックのルール】
・netkeiba.comのコンテンツを使って馬券を的中させれば『1本』。馬券の種類は問わない。
・万馬券であれば1本プラス、10万馬券ならば10本プラス。
・100本に到着するまで本企画は終わらない(不人気で連載終了の可能性は僅かにあり)。
・馬券を購入できるのは月に1日。どのレースを買ってもいいが、重賞は必ず買う。
・購入資金はオオヤブのお小遣い3万円以内。足りなくなったら・・・・・・

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【主役:オオヤブ】 妻子持ちの36歳。一応、雑誌・書籍の編集業に携わっている。若かりし頃にイギリス留学経験もあり、ニューマーケットで馬券の研さんを積んだ、なんてことはまったくない3度のメシより競馬好き。ギャンブル全般に造詣が深いと本人は思っているが、周囲の見方は単なる「下手の横好き」。

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