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第41回 戦いは駆け引きより流れ!?の巻

  • 2013年10月21日(月) 18時00分
やなぎとの対決

やなぎとの対決

(第40回までの超ざっくりとしたあらすじ)
「必勝法を見つけた!」という1通のメールがきっかけで始まった、ひとりのサラリーマンの泣き・笑い満載の馬券ドキュメント。当企画の主人公のオオヤブは、毎回『netkeiba.com』から馬券のヒントになるものを探し出し、それを元に手を変え品を変え、馬券を購入するという方法をとってきたが、春の青葉賞の会心ヒットを境に大スランプに突入。以降、オオヤブは迷走をはじめ、連敗続きで完全に自分を見失ってしまう。業を煮やした編集部はオオヤブにコーチをつけることを画策。6月の日刊競馬の看板評論家・柏木集保氏に続き、7月は東スポの渡辺薫氏、8月は丹下日出夫氏を招聘し、馬券修行を敢行。予想の何たるかをつかんだオオヤブはその成果を見せるべく、プロ馬券師に勝負を挑むことを決意。最初の相手は新進気鋭のプロ馬券師・やなぎに決まったが……。
 4Rまでに2つのレースを的中させ、勝利の美酒を2杯平らげ、ごきげんなオオヤブ。やなぎは自分の予想メソッドが生かせないレースばかりのため、なかなか片目が開かなかったが、午後に入ってスイッチ・オン! ついに逆襲が始まった!?

◆苦手な新馬戦の連続でやなぎは地獄の黙示録!?

苦手の新馬戦

苦手の新馬戦

 5R・6Rと新馬戦が2連発。メンバーがキャリアゼロの馬たちでは、やなぎの武器の「着差数値」はまったく使えない。しかし、障害で「見」を使ってしまったやなぎは武器の無い丸腰し状態でも馬券を買うしかない。

「障害よりは予想はしやすいとは思うけど、さてどうしようかな。新馬戦なんてしばらく買ってないしなあ」

 と、弱気一辺倒のやなぎ。それに対してオオヤブはゼッコーチョーの中畑君で、

『引いたカードは馬単。まあ、チョロイもんですわ。だって、パドック見てビビッと来ましたもん。本命は10のシンボリネルソン。1着付けの8頭流しで、もう一杯いっちゃう?』

と不遜の笑みを浮かべる。しかし、オオヤブ本命の10は8着惨敗。ちなみにやなぎも馬単で5と11を頭にして買うものの3、4着で惜敗。やなぎ地獄の新馬戦第2弾、6Rのやなぎは単勝勝負。だが狙った馬が2着でアウト。だが、この2着馬は7番人気。己のテリトリーではない新馬戦でも馬券センスは見せつけた。ちなみにオオヤブの馬単は見せ場なく撃沈。

『パドックでビビッと来たんですけど』

だからお前はエヴリタイム一目ぼれの脳みそ青春野郎かっての!

◆耐え忍んでいたやなぎがついにオオヤブへ倍返し?

 7Rは平場の500万。ここからようやくやなぎの予想テリトリーに突入。

「本当はもうちょっと高条件のレースの方がいいんですけどね」

 とはいいながら、新聞を見つめる眼差しは真剣そのもの。新聞に赤ペンで各馬の着差数値を書き込み、指定された「馬単」の軸を選定していく。一方のオオヤブはハズレが続いたもんで、赤ペンでドラえもんなのかほっかむりのオッサンなのかわけのわからないナスカの地上絵風のイラストを書きつつ、不満げに「ワイド」の予想をしている。肝心のレースはやなぎの軸馬12が予想に反して大凡走。オオヤブは丹下さんのラップ理論を使って選んだ軸馬の1が後方から追い込むも届かず5着。2人とも不的中で、なんとなく泥仕合の様相を呈してきた!? ヤバイなあ。頼むよ、やなぎ! 一応この企画はオオヤブが主役だけど、こういうときにはてんで頼りにならないからさ。

「まあ、見ててくださいよ。8Rはおそらく大丈夫。でも堅めに決着しそうですけどね」

3連複…

3連複…

 と、引いたカードは3連複で、これにはやなぎもガッカリ。「どうせなら3連単でもよかったのに」とは自信の表れだろう。軸は2番人気の5ロジメジャーで相手は6頭。「当てってもね〜」というやなぎ。いやいや当たればいいんです。ちなみにオオヤブは馬単勝負。

『僕の軸の1は時計が……』

なんて講釈をたれようとしていたところでレースが発走。結果は中団の好位を進んだ1番人気のハイリリーが勝利。2着はやなぎ本命ロジメジャー。3着はジーニマジックで、やなぎがほぼ予測した通りの堅めの結果に。オオヤブの本命のミヤコマンハッタンは……まあいいやどうでも(5着)。

「ごめんなさい、こんな配当(1300円)で」

 って謙虚なやなぎさん、あなたはまさか健さんですか!? 半沢さんみたいに土下座させちゃってもいいんですって。

◆逃げるオオヤブがとうとう捕まりほぼイーブン!

 8Rが終わり、9Rから特別レース(外房特別)に突入。やなぎはいよいよ本領発揮か!?出だしだけが良かったオオヤブは終い不発の展開が濃厚。券種の抽選でも、やなぎは欲しかった馬連で、オオヤブは欲しくなかった3連複。オオヤブはツキも無い。

『ムムム、快調に逃げていたのに8Rが終わって30円逆転されたあ〜。でもまだホームランバー1本の差。イーブンです、イーブン! 当ててもう1本と行きたいところですな』

「全然うまいこと言ってないし、それはガキの頃の値段。今のホームランバーは60円だよオオヤブくん。そこはシビアに行こうよ」

当たらん…

当たらん…

 やなぎの厳しいツッコミ炸裂だが、オオヤブも資金的がチョー厳しく、3連単は2頭軸で勝負。本命は9チャーチクワイア、相手は2プレミアムブルーと11ディープサウンドという内田博・武豊の東西名手に託す。もはや完全に守りに入っている。やなぎは4頭の馬連ボックス。着差数値上位の1エンドレスノット流しも考えたが、ここは数値差が無く安全策に出る。どちらも資金が減って、守備型のがっぷり四つ相撲。レースはやなぎが軸に、と考えていた1が1着。2着は13番人気、3着が11番人気で大波乱。

『こりゃあ、当たらん。資金も「あっ、足らん!」で撃沈寸前っす』

「オオヤブくん、午前中のビールで完全にオヤジ化してるよ。にしても2着の三浦皇成って買えなくはないんだよなあ。でもまあ気分を切り替えて、さあ次、次!」

 と、気持ちの面でも明暗がくっきり。さあて、いよいよここから終盤に突入。メインはオールカマーに神戸新聞杯。やなぎが勝つか、オオヤブが最後っ屁をかますのか?

現在の馬券的中数 77本
ゴールまで残り 23本

いよいよ勝負レース!

いよいよ勝負レース!

【次回予告】
券種を問わずに勝負できる今日一の「勝負レース」を残した両者。勢いを完全に失ったオオヤブが出した勝負の結論とは? そしてやなぎが魅せたプロの矜持とは? 対決編第一弾の最終章に括目せよ!


【馬券100本ノック 対決編のルール】
・資金は1人10,000円(設定としては自腹)。資金が尽きた場合、追加するのはOK(ただし、金額は1レース1,000円まで)。
・勝負は、最終レース終了後の残高で勝敗を決める。
・予想の方法は問わない。
・1レースごとにくじを引き、券種を決める(決定した券種以外を買うのはダメ)。ただし、指定した勝負レースのみは好きな券種で買える。なお、勝負レースは1レースしか指定できない。
・レースは、1競馬場の1〜12R。ただし、他場で重賞がある場合は買わなければならない。
・「見」は一度だけ認められる(ただし、重賞は「見」できない)。

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【主役:オオヤブ】 妻子持ちの36歳。一応、雑誌・書籍の編集業に携わっている。若かりし頃にイギリス留学経験もあり、ニューマーケットで馬券の研さんを積んだ、なんてことはまったくない3度のメシより競馬好き。ギャンブル全般に造詣が深いと本人は思っているが、周囲の見方は単なる「下手の横好き」。

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