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清水久詞調教師/天皇賞・秋 Part1 『まさか4つも重賞を勝ってくれるとは…』

  • 2013年10月24日(木) 18時00分
トウケイヘイローを管理する清水久詞調教師
3冠牝馬ジェンティルドンナに、昨年の覇者エイシンフラッシュ、ダノンバラードなど、GI実績馬が一堂に会する天皇賞(秋)。しかし、勢いならこの馬が一番だろう。鳴尾記念から目下3連勝、武豊を背に盾の頂に臨むトウケイヘイローだ。管理するのは、開業5年目の新鋭トレーナー・清水久詞。自身のスタイルを確立し、快進撃を続ける愛馬について、ここに至るまでの道のりと大一番に向けての抱負を語ってくれた。(取材・文/不破由妃子)


◆「なかなか個性的な馬です」

 10月某日、栗東トレーニングセンター。清水久詞厩舎には、ひっきりなしに記者が訪れていた。その取材目的は、もちろん天皇賞(秋)の出走を控えたトウケイヘイロー。“ツーショット”での撮影を申し出る記者たちの声に応え、清水が馬房の前に立ち、鼻づらを引き寄せようとした次の瞬間──

厩舎モードのトウケイヘイロー
「ダメなんですよ。こうやって噛みにくるから(笑)」

 それでも我々も含め、記者たちは粘り強くその瞬間を狙ったが、トウケイヘイローはまるでそんな我々の気持ちを弄ぶかのように、一向におとなしくカメラに収まる気配を見せない。この気性の荒さが、逃げ馬たる所以なのか。

「いえいえ、厩の前で話しているときだけ、こうやってガッとくるんです。僕も2〜3回、噛まれたことがあります。ちょっと出世したもんだから、“俺の前に立つな”くらいに思っているのかもしれませんね(笑)。厩の外では、まったく扱いづらいところはないんですよ。ほかの馬に対してもうるさいところは見せませんし、どちらかというとボケーっとして歩いているほうです。ただ、厩の前だけ、ちょっと目を離すと噛み付きにくるんですよね(苦笑)」

 ベストショットをあきらめた我々を尻目に、今度はトウケイヘイロー、欠伸を連発しはじめた。ほんの1、2分の間に10回以上である。それでも寝るそぶりは見せず、厩から顔を出してくれている。

「そんなに(欠伸を)しなくてもええやん(笑)。頑張って顔を出してないで、そんなに眠いなら寝たらいいのにねぇ。いつもこうなんですよ。なかなか個性的な馬です」

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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