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充実のJRA3歳ダート路線

  • 2013年11月29日(金) 18時00分


◆3歳春ダート路線の新設レース

 ちょっと前のことになるが、2014年度のJRA開催日程と、春季競馬番組が発表された。重賞では、朝日杯フューチュリティSとホープフルSが中山と阪神とで開催場を入れ替えたり、ジャパンCダートがチャンピオンズCとレース名を変更して中京での開催になるなど大胆な変更が話題となっているが、春季競馬番組で気になったのは、3歳ダート路線の充実だ。

 ちなみに今年春の3歳ダートオープン戦は以下。

 2/17東京1600m ヒヤシンスS
 3/31中山1800m 伏竜S
 4/28京都1400m 端午S
 5/19京都1800m 昇竜S

 で、来年の春がこれ。

 2/22東京1600m ヒヤシンスS
 3/16中京1400m 昇竜S
 4/6中山1800m 伏竜S
 5/4京都1400m 端午S
 5/18東京1600m 青竜S
 5/25京都1800m 鳳雛S

 青竜S、鳳雛(ほうすう)Sが新設だが、時期的・条件的には今年の昇竜Sが鳳雛Sと名前を変え、実質は昇竜S、青竜Sが新設という感じだ。

 かつてJRAでは2歳から3歳春にかけてはオープンクラスにダートの番組がほとんどなく、地方との交流が進んだ95年以降も、3歳春までの段階で地方の交流重賞に出走してくるJRA勢は、芝ではちょっと足りない馬や、クラシック出走のための賞金加算目当てだったりという馬が目立った。

◆地方勢はさらに苦戦か

 風向きが変わったのは、99年にGI(JpnI)のジャパンダートダービー(大井)が7月に新設され、さらにはユニコーンSが01年に秋から6月上旬に移設されてからだろう。夏の函館・札幌開催から2歳戦でもダートの番組が増え、したがって近年ではJRAでも2歳の早い時期からダートに目標を絞って使う馬も目立つようになってきた。

 その結果、古馬戦線のみならず、3歳春のダートでもJRA勢が圧倒的な強さを示すようになった。

 5月上旬に行われる兵庫チャンピオンシップは、第1回、第2回こそ地方馬が勝ったが、02年から今年まで12年連続で勝ち馬はJRA。ジャパンダートダービーも、10年には船橋のマグニフィカが勝ったが、そのあとは11年のクラーベセクレタ、昨年のアートサハラと地方馬は3着が最高(クラーベセクレタは、のちに失格)。

 さらに力の差が開いたと感じさせられたのは今年。兵庫チャンピオンシップでは、勝ったコパノリッキーから、地方最先着6着のマインダンサー(高知)は離されること約24馬身。ジャパンダートダービーでは、勝ったクリソライトから、地方最先着4着のインサイドザパーク(船橋)が約10馬身半の差。

 来年以降、JRAにおける3歳春のダート路線がますます充実したことで、地方勢はさらに苦戦を強いられることになるかもしれない。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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