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相馬中村神社で第2の馬生を歩み始めたバシケーン

  • 2013年12月17日(火) 17時30分
第二のストーリー

2010年中山大障害優勝時




※この記事は2013年2月7日にニュースで掲載いたしました

 2010年の中山大障害(JGI)を優勝し、2010年度のJRA賞最優秀障害馬に選出されたバシケーン(8歳)が、福島県相馬市にある相馬中村神社で乗馬として第2の馬生を歩み始めた。

 その相馬中村神社だが、現在の社殿は寛永20年(1643年)に相馬中村藩2代藩主の相馬義胤(相馬氏第18代当主)によって建立され、国の重要文化財に指定されており、相馬野馬追いの出陣式も行われる由緒正しい神社だ。

「1月20日にこちらにやって来ました。元気に暮らしていますが、2月3日の節分に去勢手術をしたばかりなので、今はちょっと痛々しいですね。体が小さくて、顔の白い部分の鼻のあたりに黒い点があるので、ウチではマメちゃんと呼んで可愛がっています(笑)左前脚が屈腱炎ということで、しばらくは脚元の様子を見ながらになりますが、将来的には私が馬場馬術で乗ったり、子供たちを乗せてあげられたらと思っています。ファンの多い馬だったようで、バシケーンに乗ってみたいという声も聞きますね。

ウチには他にオープンで走っていたエックスダンス(8歳)や、目黒記念(GII・芝2500m)で3着になったこともあるフェニコーン(9歳)など活躍馬もいます。ただ2頭とも子供を乗せるには、体が大きいんですよね。その点、バシケーンは現役時代も440キロ台で走っていたように、子供にはちょうど良い大きさなんです」と、相馬中村神社で馬の管理を担当する田代麻紗美さん。

第二のストーリー

相馬中村神社で第2の馬生を(撮影:田代麻紗美)


 現在、相馬中村神社には、ミニチュアホース2頭とサラブレッド11頭(東日本大震災の避難馬を含む)が繋養されている。バシケーン、エックスダンス、フェニコーンの他に、父キングカメハメハ、母スティルインラブという良血・ジューダ(6歳)もいて、同馬は昨年の相馬野馬追いでご神馬を務めた。田代さんによると、新顔のバシケーンは、今年の野馬追いのご神馬候補となっているという。

 また現役時代にバシケーンを管理していた高橋義博調教師は、「GIレースを勝たせてもらった思い入れのある馬ですし、由緒ある神社に引き取っていただいて大変嬉しく思います。今年は是非、相馬野馬追いのご神馬になってもらって、私の厩舎にもご利益を(笑)。まあそれは冗談として、末永く、可愛がってもらえたらと思っています」と、感慨深げに語っていた。(取材:佐々木祥恵)

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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