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父子3代の物語(メジロマックイーン)

  • 2014年01月20日(月) 12時00分
名馬

メジロマックイーン



◆語り継ぐ血のドラマ

 天皇賞馬の勲章を引っさげ、馬産地に温かく迎え入れられたメジロアサマ。だが、その栄光は半年も経たぬうちに色あせた。受胎馬が1頭も出なかったのである。シンジケートはすぐに解散となり、追われるように都落ちしていった。

 ああ、メジロアサマの運命やいかに。天皇賞父系3代の系譜「メジロマックイーン伝」はそんなところから始まる。栄光、転落、一縷の望み、運命の糸、奇跡の復活。初代メジロアサマ、2代目メジロティターン、3代目メジロマックイーンヘとつながる天皇賞馬の系譜には、波瀾万丈のエッセンスが詰め込まれている。

 ある神社から「メジロアサマを廃用にするなら神馬に欲しい」と言ってきた。芦毛の天皇賞馬なら神社に箔がつく。しかし、これを聞いたメジロの総帥・北野豊吉は青筋を立てて激怒した。彼にとって「メジロ」の血で天皇賞馬の系譜をつなぐのが夢だった。神馬にするのは、その彼の夢をぶちこわしにするようなものだったのである。

 こうなったら意地でも受胎させてやる。北野は執念の鬼と化した。メジロアサマを牧場の繁殖牝馬に徹底して種付けさせたのだ。それでも受胎せず、繁殖牝馬の多くを犠牲にする。その繰り返しが4年も続いた。しかし、それでも諦めない。5年目のチャレンジになると、名牝シェリルに受胎させろと牧場スタッフに檄を飛ばした。

 シェリルは北野がフランスのせりで買い、欧州で走らせて仏GIIを勝った馬である。血統もこの時代の日本としては超良血だった。そのシェリルに“種なしスイカ”を付けようとする。周囲は「あいつの神経はどうかしている」とあきれ返った。

 ところが、驚いたことにこのシェリルが、メジロアサマの子を宿すのである。そして生まれたのが2代目の天皇賞馬となるメジロティターンだった。奇跡と言っていい。

「3代目が誕生したら、もう俺は思い残すことはない」。それが北野の口癖となった。しかし、メジロティターンが供用を始めたばかりの1984年2月、80歳で亡くなる。それでも牧場スタッフは意志を継ぎ、その3年後、ついにメジロマックイーンを誕生させた。

 目標はあくまでも天皇賞・春。春のクラシックは同期のメジロライアンに任せ、じっくり育てて3歳の2月にデビューさせた。勝ち上がったものの、その後は2着、3着、2着と足踏みが続いた。

 だが、メジロマックイーンの体内に流れるのは晩成のステイヤー血統だ。確かに夏を境にたくましく成長し、抽選をくぐり抜けて菊花賞に出走。早めに動いて力強く抜け出し、そのままゴールまで押し切って勝利した。

 翌1991年3月、メジロマックイーンは始動の阪神大賞典をレコードで快勝。次いで4月の天皇賞・春に出走した。単勝1.7倍の断然人気に支持されたが、鞍上の武豊を少しも動じない。

 菊花賞同様に先行し、早めにスパートして抜け出すと、もう後続は追走に手一杯でもがくだけだった。2着に2馬身半の差をつける楽勝で、あっさりと天皇賞父子3代制覇を成し遂げた。北野豊吉が亡くなって7年後、ついにその夢が実現したのである。

 レース後の記念撮影では、メジロマックイーンを勝利に導いた鞍上の武豊が、北野の遺影を高々とかかげていた。親から子へ、子から孫へ、さらにその次の世代へ。競馬には血の流れを実感する楽しみ、歓びがあり、語り継ぐ血のドラマがある。それを教えてくれたのがメジロマックイーンだった。(吉沢譲治)

◆レース詳細
1991年4月28日
第103回 天皇賞・春(GI) 京都/芝右 3200m/天候:晴/芝:良

1着 メジロマックイーン 牡5 58 武豊
2着 ミスターアダムス  牡7 58 本田優
3着 オースミシャダイ  牡6 58 松永昌博

◆競走馬のプロフィール
メジロマックイーン(牡5)
父:メジロティターン
母:メジロオーロラ
騎 手:武豊
調教師:池江泰郎(栗東)
馬 主:メジロ商事
生産牧場:吉田堅
※年齢は当時の旧年齢表記

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