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格で勝る人気馬よりも勢いで勝る人気薄!/東京新聞杯

  • 2014年02月05日(水) 18時00分
■東京新聞杯(G3・東京芝1600m)フルゲート16頭/登録28頭

【コース基本情報】東京芝1600m Dコース使用
・コース回収率
 [やや高め] 単83%・複勝81% 大穴は期待薄も中穴がよく走る傾向アリ

・馬連万馬券出現率
 [高め] 13.8%(平均値↑1.4% 馬連平均配当8033円)

・枠番別成績(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 5.0% 連対率11.0% 複勝率18.6% 複回率 69% 枠番値±0
 [3枠〜6枠] 勝率 6.6% 連対率12.9% 複勝率18.4% 複回率 96% 枠番値+0.1
 [7枠〜8枠] 勝率 5.4% 連対率10.5% 複勝率15.7% 複回率 71% 枠番値-0.3
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率 5.3% 連対率11.1% 複勝率18.4% 複回率 77% 枠番値+0.1
 [5枠〜8枠] 勝率 6.4% 連対率12.3% 複勝率17.0% 複回率 86% 枠番値-0.1
 →それほど差はないが外枠がやや劣勢。4枠〜5枠の強さが目立つ

・脚質別信頼度
 差し≧先行>逃げ>追込 後方からでも届くが中団は取りたいところ

・推定ラップ&タイム
 [平均] 34.7-24.9-34.0=1.33.6 序盤は緩いが中盤〜上がりは継続的に速い

 コース全体でも単複ともに回収率が80%を超える、東京芝1600m。16頭以上のレースに限定した場合では、単勝回収率90%、複勝回収率82%と、それぞれ数値がアップ。特に目立っているのが単勝回収率の伸びで、思い切って8番人気〜11番人気の大穴をアタマで狙う手もアリと言えそう。それほど「人気馬が素直に強い」コースではない。

 それを裏付けるのが、馬連平均配当の高さだ。全レースの平均値が5840円であるのに対して、当コースにおけるそれは8033円と、かなりの高さ。馬連万馬券の出現率は「平均よりもチョイ高め」といった程度だが、これは高配当が出て当たり前の水準。さすがに13番人気以下ともなると期待薄だが、穴を狙ってみる価値は十分にある。

 安田記念など数々のG1が開催される頂上決定戦コースだけのことはあり、枠番による成績の偏りはかなり小さめ。あまり意識する必要はないが、7枠〜8枠の「外枠」の成績がやや見劣るのは、覚えておきたいところだ。最も成績がいいのは内枠ではなく、4枠〜5枠というド真ん中。評価を付けるなら、イン○、センター◎、アウト△といったところか。

 直線の長いコースでもあり、アタマで来る確率が高いのはやはり差し脚質。道中のペースが速くなる上級条件〜オープンのレースともなると、そうそう楽に前が残せるワケではない。とはいえ、馬場の痛みが少ない開催時期でもあるし、実際に近年の東京新聞杯で好位勢の好走が目立つのも事実。2番手〜8番手あたりのポジションにつけられる馬に、展開は最も向きそうだ。

【レース基本情報】東京新聞杯(G3) 過去10年
・レース平均配当
 単勝1297円 馬連1万663円 3連複7万2979円

・1番人気馬成績
 [2-1-1-6] 勝率20.0% 連対率30.0% 複勝率40.0%

・3番人気以内馬成績
 [4-3-2-21] 勝率13.3% 連対率23.3% 複勝率30.0%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [5-5-7-43] 勝率 8.3% 連対率16.7% 複勝率28.3%

・10番人気以下馬成績
 [1-2-1-61] 勝率 1.5% 連対率 4.6% 複勝率 6.2%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 40.0% [差し] 40.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 33.3% [差し] 33.3% [追込] 23.3%

・性別成績
 [牡馬] 10-10-10-113 連対率14.0% 複勝率21.0%
 [牝馬] 0-0-0-12 連対率 0% 複勝率 0%

・年齢別成績
 [4歳馬] 4-3-4-24 連対率20.0% 複勝率31.4%
 [5歳馬] 3-2-4-27 連対率13.9% 複勝率25.0%
 [6歳馬] 3-4-0-31 連対率18.4% 複勝率18.4%
 [7歳↑] 0-1-2-43 連対率 2.2% 複勝率 6.5%
 ────────────────────────
 [6歳以下] 10-9-8-82 連対率17.4% 複勝率24.8%
 [7歳以上] 0-1-2-43 連対率 2.2% 複勝率 6.5%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜3枠] 4-5-7-40 連対率16.1% 複勝率28.6% 枠番値+0.6
 [4枠〜6枠] 3-2-3-51 連対率 8.5% 複勝率13.6% 枠番値-0.3
 [7枠〜8枠] 3-3-0-34 連対率15.0% 複勝率15.0% 枠番値-0.5
 ──────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 5-5-10-56 連対率13.2% 複勝率26.3% 枠番値+0.6
 [5枠〜8枠] 5-5- 0-69 連対率12.7% 複勝率12.7% 枠番値-0.5

・厩舎所属別成績
 [美浦] 6-3-1-70 連対率11.3% 複勝率12.5%
 [栗東] 4-7-9-55 連対率14.7% 複勝率26.7%

・牡馬斤量別成績
 [53kg] 0-1-0-2 連対率33.3% 複勝率33.3%
 [54kg] 1-0-1-3 連対率20.0% 複勝率40.0%
 [55kg] 2-2-2-20 連対率15.4% 複勝率23.1%
 [56kg] 5-6-7-63 連対率13.6% 複勝率22.2%
 [57kg] 2-1-0-14 連対率17.6% 複勝率17.6%
 [58↑] 0-0-0-11 連対率 0% 複勝率 0%

・前走距離別成績
 [芝1200m] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1400m] 3-0-2-11 連対率18.8% 複勝率31.3%
 [芝1600m] 7-8-5-75 連対率15.8% 複勝率21.1%
 [芝1800m] 0-1-0-9 連対率10.0% 複勝率10.0%
 [芝2000m] 0-1-2-11 連対率 7.1% 複勝率21.4%
 [芝2200↑] 0-0-1-3 連対率 0% 複勝率25.0%
 [ダート戦] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 0%
 ────────────────────────
 [芝14〜16] 10-8-7-86 連対率16.2% 複勝率22.5%
 [上記以外] 0-2-3-19 連対率 8.3% 複勝率20.8%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 1-0-2-15 連対率 5.6% 複勝率16.7%
 [中央G2] 2-0-2-12 連対率12.5% 複勝率25.0%
 [中央G3] 2-4-3-50 連対率10.2% 複勝率15.3%
 [OP特別] 3-5-2-41 連対率15.7% 複勝率19.6%
 [条件戦] 2-1-1-5 連対率33.3% 複勝率44.4%

・注目出走パターン
 [特注] 前走重賞以外に出走して3着以内(連対率36.0%、複勝率48.0%)
 [買い] 前走5番人気以内、かつひとケタ着順(複勝率32.4%)
 [買い] 1枠〜3枠に入った前走4番人気以内馬(複勝率41.4%)
 [不振] 7歳以上馬(0-1-2-43)
 [不振] 前走3番人気以下の馬体重500キロ以上馬(1-1-0-38)
 [全滅] 牝馬(0-0-0-12)

 昨年は穏やかな決着となった東京新聞杯だが、それでも1番人気だったドナウブルーは10着惨敗。コースデータでも高水準だった馬連平均配当は、レースデータでは1万円の大台を超えてきている。さすがに2008年や2009年のような大波乱となるとそうそう出現しないが、それでもかなり波乱含みのレースであるのは間違いない。

 人気サイドは全体的に弱いが、なかでも目立っているのが3番人気以内馬の低調な成績。トータル[4-3-2-21]で連対率23.3%、複勝率30.0%というのはきわめて低い数値であり、複勝率に関しては、なんと4番人気〜6番人気のほうが高い(36.7%)のだ。また、7番人気以下馬の好走率もかなり高く、振り回すにはもってこいである。

 今年はヴィルシーナやホエールキャプチャなど実力派牝馬も登録してきているが、牝馬は過去10年で馬券絡みゼロ。また、7歳以上馬も[0-1-2-43]で複勝率6.5%と低調な成績に終わっており、ターゲットは4歳〜6歳の牡馬に絞り込んだほうがベター。牡馬に関しては6歳以下であれば、それ以上はとくに気にする必要なしだ。

 続いて枠番だが、こちらは「3着馬」に注目。7頭が1枠〜3枠に集中しており、残りの3頭も4枠〜6枠と、いささか極端な結果が出ている。外枠がやや割引であるのはコースデータと同様だが、複勝率や枠番値から考えるに、ここは内枠重視のスタンスのほうが良さそう。1枠〜3枠に入った前走4番人気以内馬の信頼度はかなりのもので、関西馬であればさらに期待度できる。

 それ以外にも、斤量58キロ以上馬が1頭も馬券絡みできていないことや、前走条件戦組の驚くほどの強さ、大型馬の不振など、アゲサゲの材料は非常に豊富なレース。人気を集めそうな実績馬であっても、凡走パターンに該当している場合は、サクッと「消し」で勝負してみたいところである。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きDコース。例年よりも少し時計がかかっている印象を受ける。

・天候予測
 土曜日に降雪の可能性アリも日曜日は晴れそう。良馬場前提で。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率12.6% 連対率22.4% 複勝率31.5%

・著者の注目血統
 シンボリクリスエス産駒◎、ディープインパクト産駒○、ダイワメジャー産駒○、母父サンデー○

 例年よりも少し時計のかかる馬場だった印象のある東京芝コース。時計が速いと軽さとキレが要求されるが、現在のような状況ではパワーやスタミナの要求度が高くなる傾向がある。そういう観点から考えると、ディープインパクト産駒よりも、シンボリクリスエスやダイワメジャーの産駒のほうに向く可能性がある。

 血統の字面だけで判断すると、シンボリクリスエス×サンデーのサトノギャラントや、クロフネ×サンデーのホエールキャプチャ、ダイワメジャー×エルコンドルパサーのブレイズアトレイルあたりが目につくところ。あとはフツーに、ディープインパクト産駒か。

 あとは、天候も少し気がかり。というのも、関東地方は厳しい冷え込みが続いており、土曜日にも降雪があるかもしれないからだ。馬場コンディション自体は先週に引き続き良好と思われるが、高速馬場化する可能性と、さらにパワー寄りの馬場になる可能性の、両方が考え得る状況と言えそうだ。

★総論×各論

 人気馬がアテにならない波乱含みのレースであるのは、前述したとおり。今年の登録馬では、マイルG1での好走実績があるショウナンマイティやダノンシャーク、マイルへの距離短縮で前進が期待されるコディーノなどが人気を集めそうだが、それに応えてくれるかどうかはけっこう微妙なところ。非常に難しいレースとなりそうである。

 当データ分析からのトップ評価は、3頭出しの藤沢和厩舎からサトノギャラント。実績的には格下だが、東京新聞杯は「前走重賞以外」からのローテが高評価となるという、格を必要としないレース。「前走重賞以外に出走して3着以内」という特注条件を満たす上に血統面や東京実績も文句ナシで、4番人気〜6番人気あたりになりそうなのもプラス評価の対象。あとは、前走のように出遅れず、ゲートをポンと出てくれるかどうかだ。

 二番手評価は、昨年の覇者であるクラレント。中6週で、当日の馬体重が500キロを超えるかが気になるが、それ以外は懸念材料なし。地力上位であるのも間違いなく、前々で流れに乗れるメリットもかなり大きい。実績や買い材料の多さを考えると、非常に美味しいオッズで買えそうなのも魅力的である。

 そして三番手には、人気薄のエールブリーズを抜擢。以下、ショウナンマイティエキストラエンドまでの5頭を、上位評価組とした。あとは押さえで、コディーノ、ブレイズアトレイル、レイカーラ。資金に余裕があれば、58キロの斤量が大幅割引の対象となったダノンシャークと爆穴プリムラブルガリスも押さえたいところ。牝馬のヴィルシーナとホエールキャプチャは「消し」評価とした。

 あとは枠番の発表を待って、外枠の割引&内枠のプラス評価もお忘れなく。名前のあがった関西馬が1枠〜3枠に入り、さらに人気薄であれば、そこを軸にした馬券を買ってみても面白いかもしれない。

■きさらぎ賞(G3・京都芝1800m外)フルゲート16頭/登録14頭

 14頭が登録している今年のきさらぎ賞だが、既にサトノフェラーリとジョウノムサシがダブル登録した自己条件への出走を表明しており、12頭以下となるのが確定的。さらに頭数が減るケースもありそうで、超良血馬トーセンスターダムと圧勝続きのバンドワゴンの2頭に、人気が集中しそうだ。

 では、まずは「来ないパターン」から。真っ先にあげられるのが「前走6着以下馬」の不振で、トータル[0-0-3-26]で連対ゼロ。同様に「前走5番人気以下馬」もきわめて低調な成績に終わっており、前走で逃げていた馬を除くと[0-0-2-30]と連対例なし。これらの条件に該当するようでは、かなり厳しい。

 また、前走新馬戦や未勝利戦に出走していた馬も苦戦必至。こちらは買えるとしても「前走1番人気馬」だけだ。前走で出走していたレースの距離も重要で、こちらは1800m以上戦であればプラス評価、1600m以下戦であればマイナス評価。あとは、前走上がり順位が2位以内であることや、中4週〜中9週のローテでの出走が高信頼度であることも、考慮に入れるべきポイントと言える。

 結論は、トップ評価がバンドワゴン。二番手にトーセンスターダムで、三番手がダノンアンビシャス。あとは大きく離れて、エイシンエルヴィン、サトノルパン、シードオブハピネスとなった。バンドワゴンとトーセンスターダムの差だが、前者が中8週であるのに対して、後者が中10週であることを考慮した。また、京都芝が基本的に先行有利であるという点を重視した結果である。結論から言えば、いたって順当。バンドワゴンをアタマに固定する、絞りに絞った3連単勝負で何とか儲けたい。

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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