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関係者をうならせたベテラン横山典の妙技/トレセン発秘話

  • 2014年03月06日(木) 18時00分


◆09年は中山記念から4連続重賞制覇

「まさかあんな競馬をするとはね。ただ勝つだけじゃなく、違ったスタイルで隠れた新味をさりげなく引き出す。これこそがノリさんの真骨頂なんだろうな」

 週明けの美浦で高橋義博厩舎を訪れた際のこと。番頭格の江口健介助手が、競馬週刊誌を見ながら先週の中山記念を感嘆の表情で振り返った。ご存じの通り、優勝は横山典弘騎乗のジャスタウェイ。昨秋の天皇賞を4馬身差で圧勝した実績を思えば、今回の完勝も終わってみれば当然の帰結と納得できる。

 とはいえ、である。2番人気に甘んじたのは、小回りの中山にフィットしにくい追い込み型のイメージゆえ。それを根底から覆す4番手からの積極的なレース運びは「恐らく騎乗した他のジョッキーも想像していなかったはず」(江口助手)。

 結果ではなく過程にこそ、当事者ではない関係者もうならせるベテランの妙技が詰まっていたということだ。「テン乗りで結果を出すのは、普段から周りの馬をよく見ていればこそ。恐らくまたがった時点で、すでに“自分の馬”なんでしょうね。でも間違いなく気分のいい勝ち方。ノリさん、これからノッてくると思いますよ」

 彼の忠告通りなら、歴史は繰り返す? 稍重の中山記念&先行策からの快勝で思い出されるのは09年のカンパニーだが、実は当時の横山典はこの中山記念に始まりオーシャンS(アーバニティ)→弥生賞(ロジユニヴァース)→中山牝馬S(キストゥヘヴン)と4連続重賞制覇を成し遂げている。調子に乗ると手がつけられないのも、このジョッキーの大きな特徴だ。

 日曜(9日)弥生賞の有力馬ワンアンドオンリーはもちろん、急きょお鉢が回ってきた土曜(8日)オーシャンSのスマートオリオンも不気味さ満載。最終ジャッジは追い切りを見てからだが、少なくとも両馬に重い印を打つことはすでに決めている。

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