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ウイニング競馬が番組史上初の試みをします!

  • 2014年03月08日(土) 12時00分


◆“ネット中継”ではなく“生中継”

 当コラムの更新は8日(土)の正午。その後、放送開始まであまり時間がないので効果的な予告になるかどうかわかりませんが、ここでテレビ東京「ウイニング競馬」から特別なお知らせがあります。本日、番組史上初の“阪神競馬生中継”を行います!

「エッ、そんなの、阪神競馬があれば毎回やってるだろう」って?いやいや、いつものそれは、“西の主場”(阪神、京都、中京、小倉)の中継を担当しているKBS京都の映像と音声をそっくりそのまま使っているだけ。つまり“ネット中継”です。

 しかし今回はいわゆる“自社制作”。テレビ東京のスタッフが現地に乗り込んでメインのチューリップ賞を放送します。解説の吉沢宗一さんと私も阪神に出張して、パドック診断、関係者インタビュー、返し馬レポート、レース実況を担当(ただし、レース映像はKBS京都が制作したものをもらうようですが)。いつも“東の主場”(東京、中山、福島、新潟)を中継しているテレビ東京が阪神にカメラとマイクを置いてレースをお伝えするのは、1970年4月の番組スタート(当時は東京12チャンネル。番組タイトルは『土曜競馬中継』)以来初めてのことです。

 これまでにも、土曜日の阪神競馬に“超注目レース”が組まれたことはありました。例えば、ナリタブライアンとマヤノトップガンが対戦した96年3月9日の阪神大賞典や、ブエナビスタが快勝した09年3月7日のチューリップ賞がそうだったと思います。でも、“西の主場”のレースはKBS京都が放送しているものを“ネット中継”すればいいんですから、わざわざ東京から現地に乗り込んで番組を制作する必要はなかったのです。

 また、昭和の一時期には、4月29日の天皇誕生日に春の天皇賞が行われていました。その際、テレビ東京でも特番を組んでレースを中継したことがあります。「土曜競馬中継」の放送が始まった1970年以降、4月29日の天皇賞・春が阪神で行われたのは、70年と80年の2回(いずれも京都競馬場改修工事のため)。しかし、70年にテレビ東京の競馬中継はありませんでした。80年には、特番は組まれたものの、その日は東京でも競馬があり、テレビ東京はこれを担当、天皇賞・春はいつもどおりKBS京都からの“ネット中継”で放送しました。なので、今回の阪神からの放送は、ほぼ間違いなく「番組史上初の企画」と断言できるわけです。

 なんでそこまでやるかと言えば、もちろんあのハープスターが出てくるから。でも、それだけではありません。「何か今までと違うことをやりたい」という番組制作者の意気込みがあったからこそ、だと思います。

 スタッフの願望としては、ハープスターが大物ぶりを発揮してクラシックへの名乗りを上げてくれるのがベストなんでしょうけど、さぁどうなりますか?では、きょうの「ウイニング競馬」、ぜひご覧ください!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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