スマートフォン版へ

競走実績を血統で分類する

  • 2014年04月18日(金) 18時00分


◆朝日杯出走の「サンデーの血を持つ馬」が1つのポイント

「血統」の面白さは、無数にある予想ファクター全てに「コク」を与えることです。すべての競馬の現象が鶏だとすれば、すべての卵は「血統」なのですから。

 たとえば、皐月賞には「朝日杯FS3着以内の期待値が高い」というデータがあります。

 2008年以降、中山で行われた皐月賞に「朝日杯3着以内馬」は9頭出走。うち4頭が馬券になり、単勝回収率は231%。複勝回収率は175%。結果的にこのパターンを買い続けるだけでも、ここ数年の皐月賞はプラス収支となったわけです。

 皐月賞で朝日杯好走馬が走りやすいのは、同じ中山コースのGIであることに加え、皐月賞で重要な小回り適性が高いレベルで要求されることなどがあげられるでしょう。また、皐月賞までの中距離トライアル戦線の多くは、馬場や流れ、コース形態が皐月賞とはつながらないことも影響を与えているはずです。というような話は、血統を知らなくても理解できることです。では、朝日杯FS実績馬でも、皐月賞で馬券になりやすいタイプとそうでないタイプはどのように分けるか?

 ここで威力を発揮するのが「血統」です。しかもそ難しい知識はいりません。(そもそもボクは難しい血統の話はわかりません)「サンデーの血があるかないか」がわかるだけで十分です。

 過去5年朝日杯3着以内馬で皐月賞に出走したのは9頭。このうち「サンデーの血」を持っていた5頭すべてが4着以内。4頭が馬券圏内に走ったのです。

 これも血統を少しでも意識している人なら常識の話ですが、朝日杯FSは「父サンデー系」に鬼門のレース。2007年以降、41頭出走して連対馬はたったの1頭。朝日杯FSはサンデー系の得意カテゴリーである中距離適性が問われにくいため、サンデー系は決して有利ではないレースなのです。結局、昨年の朝日杯FSもマル外でサンデーの血を持たないアジアエクスプレスが優勝しました。

 つまり、朝日杯では不利な材料にすらなる「中距離適性」と「サンデーの血」を持った馬が3着以内に頑張った場合、皐月賞ではさらなる上積みが見込めるわけです。

 今年の皐月賞はアジアエクスプレスが朝日杯優勝実績馬で、ウインフルブルームは3着。

 先に書いたようにアジアエクスプレスは非サンデーでウインフルブルームはサンデー系の本格派スペシャルウィーク。血統をちょっとかじっている人間なら皐月賞で買うべきはウインフルブルームです。(終わってみれば「血統なんて知らないほうが良かった。素直に先着している方を買えばよかった」ということも、よくあるんですが。。。)

 こんな感じで小賢しいテクニックを用いる際にも「血統」は有効ですが、もちろんシンプルに「強い血統を買う」という戦術も有効です。

 中距離で最強の種牡馬といえば、何といってもディープインパクト。すでに当コラムでも何度も書いてますが、ディープは「得意条件にもかかわらず、全部買ってもおいしい」局面では必ずおさえるべき種牡馬。

 今年はアデイインザライフ、ステファノス、ベルキャニオンは複勝3点買いでも、どれかが3着以内に走ればプラスになるはず。個人的には、馬券に絡んでくれればおいしいですし、買わずに絡まれれば非常に後悔するので、すべて買うつもりです。「来たら後悔するディープは買え、そうじゃなきゃ見てろ」これもディープとの大事な付き合い方ではないでしょうか。

 そういえば、先週はホームページで公開している桜花賞のハープスターの見解で「今日買いたいディープ産駒は阪神7レースのケイティープライド」と、桜花賞のハープスターの見解を見に来ていただいたユーザーに他のレースを押し売りする荒業を繰り出しました。ハープスターの単勝を買わずにハズレても後悔はありませんが、ケイティープライドは馬券をブチ込まないと気が済まなかったからです。結果的に単勝630円で勝利してくれて、2着も対抗のディープ産駒が走り馬単4770円もついてくれたのは何よりでした。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
ウマい馬券にて『血統ビーム』の予想提供中

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング