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例年以上に難解な皐月賞、有力各馬の見解は!?

  • 2014年04月18日(金) 18時00分


◆有力馬にはそれぞれ不安材料が…

 今年の皐月賞は例年にも増して難しい。圧倒的な人気馬がおらず人気割れしていることに加え、有力馬それぞれが不安材料を抱えているからだ。

 個人的に、おそるおそる無印にしてしまったのがイスラボニータだ。東京ばかり走ってレコード勝ちもしてきたようなタイプが、いまの中山芝で有利な立場になることはイメージしづらい。そこに初距離も加わるし、皐月賞では前へ行く人気上位馬が意外と走れないことも多い。

 脚質は違うが馬場を理由に軽いシルシに留めたのがトーセンスターダム。京都ばかりを走ってきたディープインパクト産駒が初の中山芝、というのはいかにも微妙なところ。ダービーでなら本命にしていいが、皐月賞で買いたいタイプではない。

 トゥザワールドは良い材料が多いのだが、キングカメハメハと皐月賞の相性は良くない。これが、かつての馬場だから相性が悪かったのであって今の馬場は向くという可能性もあるが、あくまで可能性であって根拠はない。キングカメハメハ産駒全体の最近の中山芝成績も、強調できるほどのものではない。ただ、それでも有力な1頭であることは間違いないと思う。

 ロサギガンティアは、昨秋以降中山芝で1着を取った唯一のフジキセキ産駒。馬格もあるしいまの馬場は向いているのだと思う。500万条件勝ち→スプリングS好走はかなり難しいものなので、この馬自身、地力があるのかもしれない。

 そのスプリングSで2着だったアジアエクスプレスは本質的にはダート向きだと思うが、いまの中山芝は向いている。距離がさらに1ハロン伸びるので軸にはしづらいが、能力は証明されているので馬券のどこかには入れておきたい。

 ワンアンドオンリーは前走がトゥザワールドとハナ差なのに今回の人気はだいぶ離れるはず。そう考えると配当妙味はある。ただ枠順も枠順だし、一か八かな面はある。

 アドマイヤデウスは父がダートでも活躍した馬で母系は長距離系。泥仕合的な消耗戦になると面白そう。ただ、若葉S組のメンバーレベルがどの程度なのかは測りにくい。

 仮に若葉S組で地力も足りるとしたら、馬券的に面白いのはウインフルブルーム。相手なりに走る惜敗タイプは、昔の皐月賞でよく穴をあけていた。同じような趣旨でクラリティシチーあたりも複穴に狙って面白い。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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