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【ユーイチの眼】〜桜花賞・高松宮記念レース回顧〜

  • 2014年05月06日(火) 18時00分
祐言実行


■ハープスターはもっと楽に勝つと思っていた

 レーヴデトワールに騎乗した桜花賞は5着。「ハープスターの一強」とはいえフルゲートでもあり、密かに一発を狙って臨んだ一戦だった。調教には騎乗していなかったが、スタッフの言葉からは調子の良さが伝わってきたし、返し馬の感触からも、阪神ジュベナイルF(9着)以上に動けるだろうという手応えを感じていた。

 (横山)和生のフクノドリームが1頭で飛ばす展開。出たなりで競馬をしたけどスーッと置かれたあたり、後ろもそれなりに速いペースで流れていた。道中は、後方にいるハープスターの気配を感じながら、レッドリヴェールの真後ろの位置。4コーナーでどこを通るか明確に決めていたわけではなかったが、勝負どころで外に向かった馬が多く、内がポッカリと開いた。

 馬は前が開いているとスーッと入っていく。4コーナーのシーンでも、決して押して行ったわけではないのだが、内が開いていたがゆえに気分良く行かせすぎてしまった。結果的に長く脚を使わせる形になってしまったわけだが、もう少し動き出しを我慢してタメることができていれば、最後にもっといい脚が使えていたと思う。そこは素直に自分の反省点だ。

■桜花賞レース映像

桜花賞レース映像 映像

 桜花賞は、うまく乗れば3着はあったのでは…と思えるレース。オークスの優先出走権(4着まで)も取れず、自分としてはあまりいい騎乗ではなかった。

 ハープスターが大外を回ってくるのはわかっていた。「強い馬は外を回って邪魔をされずに勝てばいい」というのが、松田先生の信条だからね。松田博厩舎には、レーヴディソール(10年阪神ジュベナイルF)やジョワドヴィーヴル(11年阪神ジュベナイルF)でGIを勝たせていただいたし、レーヴデトワールをはじめ最近もよく乗せていただくが、先生が腹をくくっているぶん、ジョッキーは思い切って乗ることができる。まず、負けても絶対にジョッキーのせいにしない。大外を回ってたとえ届かなくても、「仕方ない」と納得してくれる。これまで見てきたなかで、唯一松田先生が怒るのは、ジョッキーが馬の力を信じて乗らなかったときだけだ。

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祐言実行 / 福永祐一
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1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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