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トーコー軍団の活躍

  • 2014年06月13日(金) 18時00分


◆3頭の世代代表格を擁するトーコー軍団

 6月11日に行われた関東オークスは、1番人気に支持されたJRAのエスメラルディーナが、降り続いた雨で水の浮く馬場を逃げ切って圧勝。地方馬にとっては、グランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズンの最終戦でもあり、優勝を争っていたポイント上位の3頭が揃って出走。ここまでのポイントは、トーコーニーケ(兵庫):30、コパノバウンシ(大井):25、クロスオーバー(高知):24、という拮抗したもので、着順によってはこの3頭いずれにも優勝の可能性があり、興味深いものとなった。

 結果は、トーコーニーケが好位の内をうまく立ち回り、勝ったエスメラルディーナから7馬身離されたものの2着に入る健闘で、15ポイントを加算。コパノバウンシ(12着)、クロスオーバー(6着)は、ともに2ポイントのみの加算で、トーコーニーケがぶっちぎりでの女王となった。

 それにしても、この世代の兵庫のトーコー軍団の活躍はすばらしい。

 牡馬では2歳時からトーコーガイア、トーコーポセイドンの2頭が早くから素質馬として期待され、しかしこの春はともに脚部不安や仕上がりが遅れるなどで思った通りに使えず、兵庫一冠目の菊水賞には間に合わなかった。それでも両馬ともに兵庫ダービーには間に合い、ガイアが圧勝、5カ月ぶりのぶっつけで臨んだポセイドンも、果敢に逃げの手に出てガイアの露払い役を務め3着に踏ん張った。

 牝馬のトーコーニーケは、GDJのシリーズを使う中で確実に力をつけてきた。もし、ガイア、ポセイドン2頭ともに兵庫ダービーに間に合わなければ、ニーケが兵庫ダービー出走というプランもあったそうだ。

 ちなみにこの世代のトーコー軍団は5頭いて、そのうちこの3頭が世代を代表するような活躍を見せている。

 ガイアとポセイドンは、ともに北海道市場セレクションセールで、それぞれ2415万円、1260万円、ニーケは北海道サマーセールで1050万円で購買された(いずれも税込)。地方競馬でデビューする馬としては破格の高額馬だ。

 デビュー前から兵庫ダービーを意識していたというだけに、この1年の吉行龍穂調教師のプレッシャーは相当なものだったと聞く。

 それでも兵庫ダービーでは1、3着。牝馬のニーケは、JpnIIの関東オークスで2着し、GDJでも優勝を果たした。

 必ずしも値段が高い馬が走るとは限らないが、ここまでの結果としてはすばらしい。

 こういう素質馬を地方に入厩してくれる馬主さんが増えれば、地方競馬はさらに盛り上がるのになあ、というのはファンとしてのワガママな思いではある。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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