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皆さんからの競馬の疑問を太が解説!『馬にも騎手の好みはあるの?』

  • 2014年07月15日(火) 18時00分
小牧太

皆さんからの競馬の疑問を太が解説!


「どこを使うにしても、あの馬は絶対に乗りに行かな!」という期待馬が出現!? そのほか、「利き腕とは違うほうでムチを入れるのは難しい?」「馬にも好きな騎手、嫌いな騎手など好みはある?」などなど、ユーザーからの素朴な疑問に答えます!
(取材・文/不破由妃子)


あの馬は絶対に手放したらアカン!

──前回はワーストレースについてお話いただいたので、今回はベストレースを。

小牧 5月後半から6月中旬? ん〜、パッと思い浮かばんなぁ。

──少し前になりますが、メルボルンT(5月24日・京都8R・3歳500万下)のキュールエラピスは強かった。

小牧 ああ、2連勝した馬ね。あの馬は走るね。うん、走る。

──ここまで5戦2勝2着2回ですから、まだ底を見せていない感じで秋が楽しみです。

小牧 うん、菊花賞が楽しみな馬やね。この前はうまいこと乗れたけど、未勝利を勝ったときは力があり余って、終始引っ掛り気味でね。それでも最後まで余裕やった。

──掛かっても終いはきっちり伸びてきましたものね。まぁ、未勝利では力が違ったんでしょうが。

小牧 そうそう。この前もまだ遊んでる。僕のベストレースとは言えんけど、あの馬は強い。“あの馬は絶対に手放したらアカン”て、エージェントに言うとくわ。乗せてもらえるんやったら、どこにでも乗りに行かな。(エージェントに)すぐ言うとこ。

──キュールエラピス以外にも、マルヴァーンヒルズ、ミッキーラブソングと、5月末から6月中旬にかけては、連勝が多かったですね。

小牧 そういえばそうやね。でも…ベストレースはないね。あ、アドマイヤスピカ(6月8日・阪神8R・鶴橋特別)。あのレースは、降級やったとはいえ、自分が思っていた通りのレースができたね。快勝でした。

──500万ではさすがに力が違いましたね。

小牧 そうやね。思った通りに乗れたということで、ベストレースはアドマイヤスピカかな。

──では、いくつか質問を。「いつも楽しく拝見しています。騎手は馬に左右どちらからもムチを入れますが、利き腕とは逆のほうでムチを入れるのは難しいのでしょうか」という質問です。

小牧 いや、そんなことはないよ。利き腕じゃないほうがいい意味で力が抜けるから、かえってリズムがいいかもしれない。あくまでも僕はね。利き腕の右は、やっぱり力が強いから、必要以上に力強く叩いてしまったりね。だから、加減も含めて、左のほうがリズムよく叩けるような気がする。

──なるほど。そういうものなんですね。続いては、「馬は頭がいいから人をみるそうですが、上手な騎手、下手な騎手がわかったり、乗せたい騎手、乗せたくない騎手など好みがあったりするのでしょうか」という質問なんですが、馬に聞いてみなければ…っていうやつですよね(苦笑)。

小牧 その通り(笑)。馬がどう思ってるかはわからんけど、言うことを聞かせることができる人はいるよ。馬にナメられへん人ね。逆に好き放題されちゃう人もいるし。馬がどっちが好きかはわからんけど。

──馬が人を選ぶということはないですか? 以前、「僕はメジロマックイーンに嫌われていた」という武豊さんの記事を読んだことがあります。なんでも、武さんが近づくと、ピタッと止まって動かなくなったとか。

小牧 ああ、そういうことはあるかもしれん。騎手が乗ったらカリカリしだす馬もいるしね。オリービンとかもそう。僕らジョッキーが跨った瞬間、カリカリしだすもんね。そりゃあ、馬にしてみれば叩かれるわけやから、嫌なはずやもん。そういうのはわかってるんじゃないかな。

──基本的に、馬はジョッキーが好きではないと。

小牧 そりゃあ嫌いでしょ。絶対に嫌いやと思うわ。厩務員さんは一緒にいる時間が長いし、飼い葉をあげたりもしてるから、馬によってはなついたりもするんやろうけど、僕らはレースや調教のときだけ乗って、バシバシ叩いてるわけやからね。

──そうですよね。質問は以上です。2014年も半分が過ぎまして、上半期はどんなシーズンでしたか?

小牧 うん、今の気持ちを持ち続けていきたいと思ってます。途切れんようにね。まぁ6月2週目が最悪で、ちょっとリズムが狂ったけど。それにしても、1週間がむちゃくちゃ早いわ。充実しているといえばそうなんやろうけど、それにしても早い。汗取りばっかりしてるわ。

──この半年は小牧さんにとって、気持ちの面やトレーニング法など、いろいろ変化があったシーズンだったのかなと。休肝日も作りましたし(笑)。

小牧 そうやね。タバコも宣言したことで止められたから、水・木を休肝日にすることもどんどん言っていこうと思ってね。誰にも言わずに始めたら、絶対に“ビール1本だけなら…”ってなるからね。

──宣言した以上は飲みにも行けませんしね。

小牧 ホンマやね。気を付けな(笑)。そういえば、全然話は変わるけど、この前ひとりでアレ観てん「アナと雪の女王」。

──おひとりで!?

小牧 うん。ほかの映画はちょうど時間が合わなくてね。どうしようかなぁと思ったんやけど、話題の映画やし、みんながいいって言うから。

──いかがでしたか?

小牧 ん〜(苦笑)、まぁすごくわかりやすい話やね。ミュージカルみたいな内容やから、歌はやっぱりよかったよ。

──映画が終わったあと、みんなで主題歌を合唱するイベントがあるそうですね。

小牧 そうそう。僕もね、歌でも歌っておくかと思って観たんやわ。でもそのイベントはなかった。まぁ実際に僕がひとりで真剣に歌ってたら笑うよね(笑)。でも、観終わったあとトイレに行ったとき、自然と口ずさんどったわ。「レリゴ〜♪」って(笑)。

小牧太

自然と口ずさんどったわ。「レリゴ〜♪」って(笑)


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【次回の太論は!?】
次回以降の太論では、6月後半から7月中旬のレースやプライベートでの出来事をじっくり回顧。6月30日に開催されたトークショー&サイン会での秘話や、期待の2歳馬についても本音で語ります!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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