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函館2歳ステークス後の関係者の話や思ったことを箇条書きに(村本浩平)

  • 2014年07月22日(火) 18時00分


◆前回のコラム掲載後にチチカステナンゴとスニッツェルの産駒がプチブレイク

 いきなりですが前回、このコラムで僕が書いた原稿、読んでもらえました?

新・1大スニッツェルのPOG向きなところ(村本浩平)

 そこでは「チチカステナンゴとスニッツェルの産駒がクルー!」的なことを書いたのですが、なんと放送終了後に電話がジャンジャンならぬ、原稿掲載後にチチカステナンゴとスニッツェルの産駒がプチブレイク!

 チチカステナンゴ産駒は6月7日のメイクデビュー阪神(芝1600M)で、ケツァルテナンゴとウインバニラスカイがワンツーフィニッシュを決めたかと思えば、スニッツェル産駒は中央の芝、そして地方のダートを問わない活躍で勝ち鞍を量産。2歳サイアーランキングでは蒼々たるトップサイアーたちを押しのけて、なんとトップ10入りを果たしています。

 もう、自分のことを「予言者」と名乗ろうかなと思っている今日この頃。いやいや、このコラムが「DEATH NOTE」的な感じで、書いたことが真実になるのでは、という気もしてきたので、ここは一つ。

「村本浩平が馬券で1千万儲けたってよ!」

 …………ちょっとやり過ぎました、すみませんm(_ _)m。

 というわけで、相変わらずこの時期はネタ探しに困る牧場取材をスタンスとしている自分。一応、第2回サンチバ(産地馬体検査)の取材には行きましたが、もう1ヶ月も前の話なので、ネタは風化していて使えないもの(入厩済みやデビューを間近に控えているなど)ばかり。今回、どうしようかなあと思っていたところ、19日に函館競馬場で行われた、今年最初の2歳重賞である函館2歳ステークスをたまたま見て来たので(笑)、その時の関係者の話や思ったことを、箇条書きにしてみたいと思います。

・函館2歳ステークスの勝ち馬となったのは、連闘でこのレースに臨んだアクティブミノル。生産、育成は新ひだか町のフジワラファーム。ちなみに第1回サンチバ受験馬。なんと取材時のメモがあったのだが、そこには牧場の方からのコメントとして、「ダートの短距離で活躍できそう」と書いてある!

・それもそのはず、スタチューオブリバティの産駒成績は、思いっきりダートに偏っている。その中でカシノピカチュウがファルコンSとラジオNIKKEI賞で2着にこそ来ているものの、基本的にはダート馬と考えてしまうのは仕方のない話。

・その他には「2歳戦向き」「調教も問題無くこなしている」との話もメモっていた。表彰式の後、牧場の方がいたので、改めてお話を聞かせてもらうと、「デビューの3週間前に競馬場へと移動。その頃から勝てたら函館2歳ステークスは連闘で望むと話が出ていたように、体質の強い馬だった」とのこと。まだ早く、せめて馬券を買う前にこの話を聞けていれば…。

・確かにアクティブミノルは連闘にも関わらず、馬体重の増減は無く、パドックからも馬体の良さは目を引いていた。「ダート馬」といわれていた馬が、芝のデビュー戦で内容の濃い競馬ができていたこと、そして洋芝でパワーのある馬が好走する函館開催ということからしても、ここは狙い目だったと馬券的な意味でもただただ反省。

・このレースで注目していたのは、2番人気の支持を集めたトウショウピスト。何せ母は函館スプリント界の女王とも言えるシーイズトウショウで、父は昨年のフレッシュサイアーランキングの首位となったヨハネスブルグ。今年の函館2歳ステークスを勝利するのに相応しい馬! と注目していたが、大外枠が響いたのか、直線で延びきれず3着に…。

・レースの後、トウショウ牧場の育成主任の方とお話をしたが、「幼さが出てしまったのかも。まだ走り方も覚えさせなくてはいけないし、もう一度、牧場で立て直します!」と力強い言葉が。確かに直線に入ってからの首の高い走法は、伸びを欠く原因になった印象も。それでも母の活躍を見ても、この敗戦が挫折となるような馬では無いはず。立て直し、期待してます!

・ちなみにフジワラファームは、新冠のゴールドアップカンパニーで育成調教を行っている。同じ育成施設を使って調教を行っているのは、大作ステーブル、フロンティアスタッド、そしてコパノリチャードとコパノリッキーを手がけた小国スティーブル!

・しかも小国スティーブルでは函館2歳ステークスの次の日に行われた、函館記念を制したラブイズブーシェの育成も手がけていた。今後も名馬が出てきそうなゴールドアップカンパニー出身の育成馬には注目すべきだろう。

 てな感じでしょうか。ちなみに20日もたまたま函館競馬場にいたので(笑)、芝1800Mで行われたメイクデビューも見ていたのですが、ハービンジャー産駒のスワーヴジョージが、父の産駒で第一号となる勝ち名乗りをあげました。母はトゥザヴィクトリーの全きょうだいという良血馬ですし、その血統の評価に相応しい強いレースぶりでした。

 既にデビューしたハービンジャー産駒も、父の安定した気性が受け継がれているのか、折り合いには苦労し無さそうなレースを見せています。瞬発力という意味ではサンデーサイレンス系種牡馬よりは劣っているような気もしますが、ギーニョのように母父にサンデーサイレンス、あるいはサンデーサイレンスの後継種牡馬が入っている産駒が多いので、その辺の補強は叶っているはず。

 これから札幌2歳ステークスに向けて、芝の中距離で行われるメイクデビューも増えて行きそうですし、となると、ハービンジャー産駒はこれまで以上に攻勢をかけてくることになるのかもしれません。

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