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パートン騎乗予定馬、武豊騎乗予定馬のムムム度

  • 2014年07月24日(木) 12時00分


めったに外国人騎手に騎乗依頼をしない白井厩舎が先週は3頭の馬をパートンに依頼した。
ちなみに白井厩舎は、ここ1年で3頭・3回しか騎乗依頼していなかった(昔はペリエに依頼していた印象が強いけれど…)。
だからすぐに、ムムムっとなった。もしや大勝負か!?

白井厩舎・パートン騎乗馬
土曜中京
10R ダ19 マノワール 5人気7着
日曜中京
4R芝22 10クロニクルスカイ 6人気1着
9R芝12 17タイザンホクト パートン→武幸・乗り替り 7人気15着

結果は1-0-0-1
6人気で1着したクロニクルスカイの単勝は2040円、複勝も940円もついたから、パートン=白井厩舎の3頭(乗り替り含めて)の単複だけを買っていても十分儲かったことになる。
3頭すべてが勝負だったとは思わないけれど、身元引受でもない厩舎が、身元引受馬主の社台系の馬でもない馬を外国人騎手に複数頭騎乗依頼するとしたら、最低でも1頭は勝負になるチャンスホースをまぶすと考えるのは、おもてなし精神を重視する日本人的感覚では十分アリだろう。

その証拠に先週は関東の堀厩舎も中京に2頭出走させ、2頭ともにパートン騎手に依頼して、1-0-0-1だった(負傷乗り替りでパートンは騎乗できなかったけれど)。

日曜中京
10R アーカイブ パートン→酒井 10人気8着
12R バクシンテイオー パートン→福永 5人気1着

パートン騎手の負傷で、それぞれ酒井騎手、福永騎手に乗り替わってしまったけれど、福永騎乗のバクシンテイオーは圧勝だった。
堀厩舎は関東での身元引受常連厩舎だけど、わざわざ中京に遠征し、2頭ともにパートンに依頼した以上は勝負になる馬が1頭はいると見立ててよかったわけだ。

「外国人騎手にめったに頼まない厩舎が非社台系の馬を複数頭依頼する……。ムムム!」
「関東(関西)の厩舎が関西圏(関東圏)へ遠征し、複数頭依頼する……。ムムム!」

どちらもムムム!と反応していい勝負馬探しのちょっとしたヒントになるのではないか?

ただし、そのアプローチの賞味期限は外国人騎手がほんまもんであると完全に知れ渡る前までだったりもする。乗れる、頼りになることがわかるとみんなのものに変わることがよくあるからだ。

みんなのものとは、騎乗依頼が一部の厩舎に偏ることなく満遍なくいろんな厩舎から舞い込む状態のこと。だから身元引受厩舎以外からの複数頭騎乗も自然になくなっていく。
もちろん、そういう状態に突入すると馬のレベルはもちろん上がっていくし、頼むならば勝ち負けになる馬を依頼したくなるはず。

そうなると必要以上に人気を獲得していくから、自分の馬券的視野からも自然に外れていきがち。相手の筆頭として選ぶことはあっても、馬券の中心に添える機会は少なくなっていく。ちなみに最近ではCデムーロにみんなのもの的な兆候が見える。

だからこそ、今週のパートン騎乗を楽しみにしていた。
この2週間の成績からパートンにはほんまもん感が漂っているし、だからといってみんなのものになるまでにはまだ至ってない、なっていたとしてもまだ騎乗馬に落とし込まれてないはずだ。

今週もパートン騎乗厩舎にムムム!と反応して、ムフフ!と皮算用を立てるつもりだった。
しかしまさかの緊急帰国。古傷悪化の治療!
ヌヌヌ……(つーかホントに戻ってくるのかな!?)

というわけで、もう一、二週間、いやヒグラシの鳴く頃までは使えると期待していたパートンのムムム・アプローチだけど、儚く刹那にフェードアウトしてしまうのかもしれない。カナカナカナカナ……。

こうなったらローウィラーやエスポジートに期待するしかない。
パートンとは何かが違うんだけど、どちらも身元引受厩舎のバックアップはありそうだし、複数頭依頼の期待もできなくはない。
事実、エスポジートの初勝利は2頭依頼の大竹厩舎の1頭だった(単2350円)。ローウィラーは堀厩舎馬で、1-3-0-2の好成績。先週のダークシャドウも2着に持って来た。っていうか馬券になっているのはほとんど堀厩舎馬だ。

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中京記念にムムム!はあるか?
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パートンの中京記念の騎乗予定馬はトーセンレーヴだったようだ。
しかし鞍上は川須に。
トーセンレーヴは身元引受の池江厩舎の馬だから、騎乗=勝負とはなかなか決めつけられない。
むしろ池江厩舎だからこそ、選択は慎重にすべきかもしれない。馬主へのサービスとして、外国人騎手を配置させることも多々あると思うからだ。

先週はパートンだけでなく、武豊騎手も落馬負傷で途中乗り替わりになった。
自分は日曜中京9Rで、その武豊騎乗予定だったホープタウンを狙っていた。

ご存知のようにホープタウンは今年デビューの新人・松若騎手に急遽乗り替って、1着した。3人気で単勝570円だった。
減量特典のない特別レースで、新人の松若騎手へ依頼したのを知って、少し揺さぶられた。

いくら松若騎手が乗れている新人騎手とはいえ、減量特典のないレースに乗せる理由はなんだろう?
1 ホープタウンは1年ぶりの出走で正直、ひと叩きさせたかった。だから騎手は誰でもよかった。
2 デキがいいから武豊騎手に依頼した。デキがいいから誰でもよかった。

結果1着。自分は、西浦厩舎は王様(シェイク・モハメド)馬の勝負時には、武豊に依頼しがちと思っているので、休み明けながら初騎乗してきた今回は自信の出走と思っていた。
つまりデキはいいと想定できた。だから松若騎手でもなんとかなるのではないかと(無理矢理)思ったのだった(その期待に応えた松若騎手が立派だったのは言うまでもない)。

前記したパートンのムムム! と同じようにこちらにも「西浦厩舎=王様馬=武豊」というムムム!があったわけだ。

で、改めて中京記念。

パートン騎乗予定馬 トーセンレーヴ 川須騎乗
武豊騎乗予定馬 クラレント 小牧騎乗

トーセンレーヴは身元引受の池江厩舎の馬だから、重賞でパートンが騎乗するのは当然か。
しかもトーセンレーヴは17戦で16回外国人騎手が騎乗している外国人のための営業ホース。
そう考えると、この馬に関してはパートン騎乗でもぜんぜんムムムの方向に進めない。むしろ日本人騎手が騎乗した方がムムム!だ。

今回はパートン予定で、川須騎手だからニュースにもなりにくいし、逆に買いづらくなった。
予想は現在13人気。この馬は1-5人気の経験しかなく、馬券圏内には1人気でしか入ったことのない馬。
そういう馬が13人気だなんて、美味しいにもほどがある! そう思えれば買いだし、思えなければ消しでいい。
現段階では自分には買い材料が見えないので、消しの方向で進みたい。

クラレントは武豊騎乗予定で、小牧に乗り替りになりそう。
仮に川田騎手が騎乗停止中でなければ、武豊騎乗になったのか? そこはわからないけれど、武豊はクラレントがテン乗りだった。クラレントのデキがそれなりに良いから武豊に依頼した。そんな想像はできる。

だとすると、武豊が騎乗できなくなっても、乗りなれた小牧を確保できたことは大きいのではないか?
クラレントは予想2人気。正直、もうちょっと人気は下と思っていた。

よっぽど適性があると見られているか、netkeiba.comの読者が小牧騎手を大好きかのどっちかだ。
自分は週中の2人気には今一つテンションが上がらないタイプなので、ここではふつうにスルーしておく。

つまりパートン騎乗予定馬、武豊騎乗予定馬を見ても、ぜんぜんムムれなかった。
ヒモでは拾えても、軸としてはなかなか選びにくい。そんな2頭に思えてしょうがない。

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中京記念注目馬
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ブレイズアトレイル
過去2年を見ていると、1着フラガラッハ 2着前走・米子S出走馬による決着が続いている。
重視すべき過去は2連覇中のフラガラッハか、2年連続で馬券圏内に馬を送り込んでいる前走・米子S組か?
自分は、フラガラッハは0.5ハンデが重いと見ているのと(理想は3年連続の据え置き57キロだった?)、前2年5人気で、今年は1、2人気になりそうなことから、今回は追い込みきれないと見立ててみた。
フラガラッハをナイガシロにした以上は、米子S組は大事にしてみたい。
ブレイズアトレイルは米子S2着だった。
米子S5着オリービン、6着コスモソーンパークらも気になっているけれど、今のところ出走圏外にいるので、ここではブレイズアトレイルに注目としておく。

マジェスティハーツ
名手で整えて、森一で好走。今さら自分が書くまでもないくらい浸透しきった事柄。予想4人気(1,2人気以外)なら普通に期待できる。

クロフネサプライズ
前走のヴィクトリアMはヴィルシーナ・内田博の気迫に負けての番手追走だったのではないか? 今回は気兼ねなく先手が奪えそうなメンバーでもあり、レースはヴィクトリアMより楽に運べるのではないか?

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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