種付けシーズンを終え、故郷に戻って来たバンブーエール
竹田辰紀さん「やっぱり夢は、バンブーエールの仔でもう一度ドバイに行くことです」
今年も7月を迎え、恒例のセレクトセール、セレクションセールが開催されました。たくさんの当歳馬や1歳馬たちが上場され、今年の購買成績も好調。1年後、2年後のデビューが今から楽しみです。そんな中、新種牡馬として注目したのが、ダート短距離界の頂点に立ったバンブーエール。現在は種付けシーズンを終え、故郷のバンブー牧場で休養中。その様子をバンブー牧場代表の竹田辰紀さんに伺いました。
赤見:久しぶりにバンブーエールの姿を見ましたけど、相変わらず立派な体ですね!
竹田:そうですね。種馬になって3年目、現役の頃の筋肉とは違いますけど、種牡馬らしい馬っぷりになって来ましたね。毎年10頭くらいに種付けしているんですけど、種牡馬としても順調ですよ。
赤見:子供たちはどんな印象ですか?
竹田:今の1歳馬が初年度産駒なんですけど、どの仔も形がよくて立派な体型です。初仔の母チリビリビンはバンブーエールに似ていて、立派な体で筋肉質ですね。母ルージュバンブー(2009年桜花賞5着)は逆にお母さんに似ています。
バンブーエールに似ている母チリビリビン
赤見:種牡馬としてのバンブーエールの評価はいかがですか?血統的には、今流行りのサンデー系もキングマンボ系も付けられるので、お嫁さんの選択肢が広いですね。
竹田:そうなんですよ。血統的にも注目していただけたら嬉しいですね。すごくいい子供を出すので、評価としては高いんですけど、今はたくさんの種牡馬がいて飽和している時代でしょう。現状大半をうちが付けている状態ですから、子供たちが走ってくれて、上に上り詰めてくれないことには、存在自体注目してもらえないという感じですね。厳しいですけど、子供たちの活躍を楽しみにしています。
お母さんに似ている母ルージュバンブー
赤見:バンブーエールもこの牧場で生まれたんですよね?
竹田:そうです。生まれた時から、アフリート産駒らしく体が大きくて筋肉質でした。母レインボーウッドはけっこう気が強い馬なんですけど、子煩悩ですごく可愛がってましたね。その年、うちは男馬が揃っていて、バンブーエールもその中の1頭という感じだったんですけど、期待以上に走ってくれました。
赤見:現役時代の活躍は、本当にすごかったですよね!
竹田:実はお母さんが蹄が良くなくて、バンブーエールもそこを継いでしまったんです。左右で蹄の形が違ったので、大丈夫かなと不安だったんですけど…。デビュー戦は芝で惨敗でしたけど、ダートに行って替わりましたね。若いうちから本当に頑張ってくれました。
赤見:4歳の頃に骨折して長期休養もありましたが、その後の活躍がまたすごかったです。
竹田:本当にその通りですね。アフリートは古馬になってから良くなるタイプが多いみたいで、バンブーエールも、骨折は残念でしたけどあそこで長期休養出来たことが、結果的には良かったんだと思います。復帰してからオープンを連勝して、そのままJBCスプリントを制してくれましたから。
放牧地でのびのびと草を食むバンブーエール
赤見:6歳の時に挑戦した、ドバイゴールデンシャヒーンのレースも、インパクトが強かったです。
竹田:あの時は、今のようなオールウェザーではなくてダートだったんですよ。一緒に行ったのがウオッカやカジノドライヴで、うちのは付いて行くだけって感じだったんですけど(笑)。世界のスプリントでどれだけ通用するのかななんて思いながら見てたら、最後いい脚使ってくれて…。4着で掲示板に載ってくれて、本当に感動しました。
だからというか、やっぱり夢は、バンブーエールの仔でもう一度ドバイに行くことです。子供たちと一緒にリベンジしたいですね。今のままだと、なかなかレベルの高いお嫁さんを集めるのは難しいですが、幸いにも生まれた子供たちが立派なのでね、このまま順調に育ってくれて、来年どれだけ成績を上げられるか。今からすごく楽しみです!