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【祐一History vol.15】『初めて父親のレース映像を観てみたら…』

  • 2014年09月09日(火) 18時00分
祐言実行

天才、無口、調教下手…“福永洋一”とはどんな人物なのか


 現役時代の父親の話は、母親や周りの人が教えてくれた。みんなが口をそろえて言うのは「あいつは天才だった」ということ。追い込み馬をいきなり逃げさせて勝ってみたり、思いもよらない乗り方をするジョッキーだったと、みんながみんな、口をそろえて言った。「ホンマの天才は洋一だけや」と、いつも聞かされていた。

 年配の厩務員さんのなかには、「お前のオヤジにはよう乗ってもらったんや」という方もいて、「ありがとうございます。親子二代でお世話になります」と挨拶をすると、みなさん「うれしいわぁ」と相好を崩した。そんなときは自分もうれしくなったが、なにしろ現役時代の父親を知らない。周りの人が褒めれば褒めるほど、遠い存在になっていくような気がしていた。

 父親は「調教が下手だった」と聞いたことがある。かつて、一緒に併せ馬をしたという人が、『「アンチャン、調教うまいなぁ。俺の馬、頼むわ」って、洋一さんに頼まれたんだよ』とうれしそうに話してくれたことがあるが、実は調教が下手なのではなく、嫌いだったんじゃないかと思う。

 というのも、そのほかのエピソードから、父親はセルフコントロールがうまく、人心掌握術に長けていたのではないかと思うからだ。無口だったとよく聞くけれど、身近にいた母親や柴田政人さんは、「おしゃべりだった」と言う。そのことからも、無口なキャラを演じていたんじゃないかと思うし、人間関係をスムーズにいかせるために、わざと麻雀で負けていたという話も母親から聞いたことがある。そのぶん、「レースでは絶対に勝つ」と言っていたらしいけど(笑)。

祐言実行

▲福永洋一さんと同期の柴田政人調教師


 あとは、写真や映像を見ても、父親は

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

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1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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