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トゥザワールド、サングレアル、レッドリヴェールなどセントライト記念、ローズS分析

  • 2014年09月17日(水) 18時00分


今年は冷夏だったこともあり、仕上げやすかったのではないでしょうか

 今週は3歳クラシックのトライアル、セントライト記念とローズSが行われます。また、来週は神戸新聞杯があるということで、フレッシュな3歳馬の追い切りが続々。いよいよ、秋本番を感じさせるトレセンでの調教となってきました。

 春のGIを戦って、夏場を休養に充てた馬にとっては、休み明けの一戦。「ひと叩き」として使うのか、「最初から全力」なのか。賞金を持っている馬は前者の考え方、なんて言われたりしますが、ヌーヴォレコルトの調教過程を見ていると、とても「ひと叩き」とは思えない感じ。特に、今年は冷夏だったこともあり、仕上げやすかったのではないでしょうか。そうなると、春の勢力がそのままトライアルでも好走、と考えるべきでしょうか。

【セントライト記念/トゥザワールド】

 決して追い切り本数は多くないものの、関東圏のレースが続いても、標準量はきっちりと乗られていた春シーズン。今回は休み明けになるので、どのような仕上げをしてくるか注目していましたが、これまで同様、決して量は多くなくても、中身がしっかりしているといった感じ。

 1週前追い切りの時点で、サトノノブレスをちぎる動きを見せて、17日の最終追い切りはクラージュドールをちぎる動き。追走して、追いつくまで不安なところはありますが、並ぶと反応が素晴らしく良く、休み明けからアクセル全開が可能な仕上がりだと思います。

トゥザワールド(9月17日撮影)

休み明けからアクセル全開が可能な仕上がりのトゥザワールド(9月17日撮影)


【セントライト記念/ワールドインパクト】

 すみれSで浜中俊騎手が手綱を握って以降、様々なジョッキーが跨っていますが、今回も横山典弘騎手が代打騎乗。代打でも、追い切りで感触を確かめてもらうために、17日の追い切りに跨ってもらいました。画像は追い切り後の様子ですが、厩舎関係者の笑顔を見ると、感触が良かったことはなんとなくお分かりいただけると思います。

 CWで3頭併せでしたが、前方がクラリティスカイ、後方がムスカテール。直線3頭が並んで、その真ん中でしたが、鞍上の手綱が激しく動くことはありませんでした。きっと手応え十分に進んだからこそ、無理に仕掛けることはしなかったと思います。1週前追い切りでは、やっと動いたという印象でしたが、この動きで私自身の印象は随分と変わりました。

ワールドインパクト(9月17日撮影)

17日の追い切りの動きで印象は随分と変わったワールドインパクト(9月17日撮影)


【ローズS/サングレアル】

 前走オークスはデビュー以来、最低体重の400キロ。明らかに細くて、全力を出し切れないだろうという仕上げでしたが、それでも7着という結果は、潜在能力の高さを実証する結果でしょう。馬体に関しては、休み明けということもあり、回復した印象。関西圏でのレースということもあり、420キロはキープして出走できるのではないかと思います。

 最終追い切りは3頭併せの最内。大外がアルバートドックという新馬でしたが、正直、直線に向いてからの動きは新馬が絶好。もちろん、新馬にはジョッキーが跨っていたということもありますが、サングレアルは追ってからも物足りない動きでした。時計は6F84.7〜5F69.2〜4F54.3〜3F39.7〜1F12.0秒と決して悪くありませんが、もしかしたら、見映えしない体の方が動けるのかも知れません。

サングレアル(9月17日撮影)

もしかしたら、見映えしない体の方が動けるのかも知れないサングレアル(9月17日撮影)


【ローズS/レッドリヴェール】

 オークスではなく、ダービーを選択した前走。パドックでは、華奢な馬体がより目立ち、やっぱり牡馬との差はあるのかな、そう感じざる得ない印象でした。もちろん、デビュー以来、最低体重になったということもあるでしょう。

 馬体の回復が先決でしたが、それは今回帰厩した時に解消。ただ、余裕があるというよりも、少しふっくらした程度。追い切りを積み重ねると、どんどん減るのではないかという心配がありました。しかし、最終追い切りの時計、4F51.6秒を見ていただいても分かるように、思ったほど体は減らなかったという感じ。なにせ、4F時計は自己ベスト更新ですから、これで当日の馬体重が420キロ台なら、強いリヴェールの復活ではないでしょうか。

レッドリヴェール(9月16日撮影)

4F時計は自己ベスト更新、当日の馬体重が420キロ台なら復活あるレッドリヴェール(9月16日撮影)


【ローズS/ブランネージュ】

 君子蘭賞、フローラSと比べると、5F時計が速くなり、その分、1F時計が遅くなったのが、オークス。結果は5着でしたが、見せ場十分の内容でしたし、決してこの追い切りが凡走追い切りではなかったと思っています。

 それだけに最終追い切りをどんな形でやってくるのか、少し楽しみにしていましたが、内容としては、君子蘭やフローラに近いもの。5F時計は標準で、ラスト1Fを伸ばす形。ただ、道中の走りは春よりも頭が高くなっていて、そこはかなり気になります。道中の折り合いがつけばよいのですが、この動きだけを見ると、折り合いが難しいレースになりそうな気がします。

ブランネージュ(9月17日撮影)

追い切りの動きだけを見ると、折り合いが難しいレースになりそうな気がするブランネージュ(9月17日撮影)


◆次走要注意

・9/14 阪神 2歳未勝利【ショウナンライム】(1人/10着)

 単勝1.9倍というオッズを見ると、私の予想を見て、参考にしてくださった方もいるのでしょう。その方々には、本当に申し訳なく思います。ただ、ジョッキーをはじめ、敗因がはっきりしないというのが今回。
 それだけに、次回は走ると断言できませんが、こんなところで終わってしまうような馬ではありません。あと1走、見守ってもらえませんか。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りが坂路で一杯追いなら勝ち負け

・9/14 阪神 2歳新馬【サトノフラム】(1人/1着)

 デビュー前からGIでも通用する、そんな追い切りの動きを見せていましたが、イメージ通りのレース内容で快勝。坂路での追い切りが中心の安田隆行厩舎でも、CWを併用していたので、それも結果に繋がったと思います。
 これからも併用調教で仕上げていくことができれば、重賞だろうがGIだろうが、好勝負できることは間違いありません。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]併用系統の調教タイプなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・3歳上500万下【ビオラフォーエバー

 中1週の強行軍ということもあり、最終追い切り場所は前走と違って坂路。併せ馬でしたが、相手とは少し離れた位置だったので、実質単走のようなもの。馬場に脚をとられることもなく、力強く駆け上がってフィニッシュ。
 自分のペースでハナを切ることができれば、阪神芝1800mでも後続を封じることができると思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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