ダノンメジャーが野路菊Sを快勝！　スローペースを後方からまとめて差し切る強い競馬でした。そのほか、日曜日には15番人気のタガノエトワールでローズSを2着。土日に渡って競馬を盛り上げた小牧騎手が、改めてレースを振り返ります。
(取材・文/不破由妃子)

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これでホンマに大物やと確信したわ

──野路菊S、おめでとうございます！　強かった…。

小牧　強かったねぇ。あのペースをよく差し切れたなっていう感じやわ。

──直線は、内にササってちょっと追いづらそうにも見えましたが。

小牧　いや、そうでもないよ。直線の半ばくらいまではまだタメていて、ムチを持ち替えてからはしっかり伸びてくれたから。確かに内にモタれたけど、大したことないわ。

──少頭数で、1000m通過は62秒2のスロー。それを4角最後方から外を回って差し切りましたからね。

小牧　うん。瞬発力は思った以上にあるね。正直、時計勝負はどうかなと半信半疑やったんやけど、きっちり対応してくれた。まぁ同じ時期のローズキングダムと比べるとまだ頼りない面はあるけど、大物は大物やね。新馬戦のあと、「久しぶりの大物」とか吹いてしまったけど(笑)、野路菊Sで本当に強い競馬をしてくれたら、改めて自信を持って大物だと言おうと思ってた。これでホンマに確信したわ。

──2歳時のローズキングダムと比べて、現時点でどのあたりが物足りませんか？

小牧　ローズキングダムほどの器用さはないし、なんていうんかなぁ、まだそれほどの背中をしていないというか。決していい背中ではないからね。ローズキングダムは、“絶対に負けない！”っていう背中をしていた。ただ、ダノンメジャーは速いところをやると動く。やっぱり走るなって、改めて思いましたわ。

──橋口厩舎にとっては、ワンアンドオンリーに続く大物候補の誕生ですからね。先生も喜んでいたのでは？

小牧　「やっぱり走るなぁ。でも冷や冷やしたわ」って言うとったわ。嬉しそうにしとったから、僕も嬉しかったです。

──今後は京都2歳SからホープフルSという報道がありました(どちらも今年から重賞に格上げ)。王道路線を歩むわけですね。

小牧　そうやね。とりあえず、一旦放牧に出るみたいやわ。多少ピリッとしてきたけど、相変わらず普段はボーっとしているし、まだ緩いところがあるからね。そのあたりがパンとしてくれば、もっとやれるはず。楽しみやね。

──そういえば、小牧さんで未勝利を勝ったシングウィズジョイが2着でした。あの馬も走りますね。

小牧　ホンマやね。あの馬に負けたらショックが大きかったわ(笑)。目標にされて、最後にシュッとかわされるパターンも想像してたんやけど、逆やったね。

──日曜日には、15番人気のタガノエトワールで2着。未勝利を勝ったばかりの馬とは思えない競馬でした。

小牧　実はね、レース前に川田から「未勝利を勝ったばかりだけど、あの馬、バカにできないですよ。走りますよ」って聞いててん。だから僕も楽しみを持って乗ったし、人気はなかったけど拾った2着じゃなくて、余裕十分の2着やったからね。本番が楽しみですわ。



──そういえば、遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます！　日曜日(9月7日)でしたが、どのように過ごされたんですか？

小牧　長崎に行きました。いつものゴルフ仲間と日、月、火と2泊3日でね。とくにお祝いらしいお祝いはしてないよ。「あ、そういえば誕生日や」って途中で気付いて、「カンパーイ！」みたいな(笑)。あとは、その前の木曜日に家族がお祝いしてくれてね。ケーキを用意してくれて、プレゼントもくれて。

──素敵ですね！　ちなみにプレゼントは何を？

小牧　(身に付けているネックレスを見せながら)コレです。まぁ誕生日っていってもねぇ、そんなに…(苦笑)。ひとつ年を取ったからって、なんも変わらんけど、やっぱり年を取るのはイヤやね。それにしても早い。47歳やて！　体力的にも気持ち的にも、いつまでもこのままでいたいね。

【次回の太論は？】
次回は、8月後半から9月のベストレース、ワーストレースを回顧。キングヒーロー、レッドアリオンなど、ベストレースばかりで選べない!?　レースを振り返りつつ、レッドアリオンの意外な素顔なども語ります。