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【今月の喜怒哀楽】『凱旋門賞、ジャスタウェイの鞍上としてするべきこと』

  • 2014年09月23日(火) 18時00分
祐言実行

▲ロンシャン競馬場を経験し、本番をどう思い描いているのか


スタートが良ければ、前で競馬をしてもいいと


 9月10日、ジョッキー生活18年目にして、初めてロンシャンの地を踏んだ。芝2000mの一般レースにリリエンタールで出走し、10頭立ての9着。結果は出せなかったけれど、凱旋門賞に向け、貴重な経験をさせてもらったと思っている。

 テレビでしか観たことがなかったロンシャン競馬場は、コース自体は大きいけれど、思っていたよりこじんまりとした競馬場だった。自分が乗った日は馬場がすごく良くて、芝も極端に長いわけではなかったから、印象としては日本の洋芝に近い。ただ、やはり路盤はそれほど整備されていないようで、レース中は小さな“うねり”が終始感じられた。このあたり、時計が掛かる要因なのかもしれない。

 凱旋門賞まで、あと10日と少し。馬が初めて行った場所で物見をするように、人間も初めての場所では大なり小なりストレスがかかる。その点、前検量から返し馬までの一連の流れを経験できたことで、余計なストレスを感じることなく、本番を迎えることができそうだ。今回のロンシャン行きは、自分がいくら強く望んだところで、周りの協力なくしては叶えられなかったこと。機会を作ってくださったオーナーの山本英俊氏、管理する小林智調教師には、心から感謝したい。

 それにしてもジャスタウェイという馬は、この1年で本当に強くなった。

 自分が初めて跨ったのは、まだデビュー前のノーザンファームしがらき。もともと

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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