スマートフォン版へ

岩田康誠騎手/秋華賞(2)『あの日から消えない思い、いま一度自分と向き合って』

  • 2014年10月16日(木) 11時59分

「自分には何かが足りない」


 秋初戦のローズSは、1番人気こそレッドリヴェールに譲ったものの、完全なる2強の構図。3枠6番から好スタートを決めると、道中は手応え十分に好位の内を進む。直線に向き、逃げるリラヴァティを悠々ととらえると、徐々に差を詰めてくる追い込み勢を後目に余裕を持ってゴールに飛び込んだ。

「2400mから一気に1800mになってどうかなぁと思うところもあったんですが、次につながるレースができましたね。先行しても強い競馬ができるということを見せられたと思います。そうですねぇ、ジェンティルのときのような感じかな」

 と、ジェンティルドンナで制した2012年のローズSを引き合いに出した岩田。道中2番手といういつにない積極策でヴィルシーナ以下を完封した一戦だったが、岩田はレース後、「本番に向けて、どんな競馬でもできるということを周りに見せつけるのがテーマだった」と語った。よほど馬の能力を信頼していなければ描けないテーマだ。

激白

▲負けられなかったローズS、その勝利をジェンティルドンナの一戦に重ねた


 その“ジェンティルのときのような感じ”とは、今年も相当な手応えをつかんだに違いない。なにしろ、強敵ハープスターは不在。ここは負けられない一戦だろう。

「いや、そんなに甘くはないと思ってますよ。紫苑S2着のショウナンパンドラとか、自分が乗っていただけに能力が高いのはわかっていますし、そのきに勝ったレーヴデトワールも、もちろんライバルだと思っています。とはいえ、ヌーヴォレコルトもローズSでああいう競馬ができたので…」

 と、他陣営を警戒しつつ、ヌーヴォレコルトにはたくさんの強味があることも十分わかっている。

「イレ込まないし、左回りが得意とはいっても右回りもまったく問題ない。京都の2000mは確かに難しいコースですが、ペースに合わせた競馬ができるのでそのあたりも心配していません。課題らしい課題はありませんが、もともと華奢なタイプですから、これ以上体が減ってほしくないっていうくらいかな。その点も、ローズSのあとは栗東で調整していますからね。クリアしてくれると思っています」

 ローズSのあとは、たびたび馬房に顔を出しているという岩田。「競馬にいけばおとなしいのに、馬房のなかでは怖いんですよ。ジッと見られるのが嫌なのか、怒るんです(笑)」と、意外な素顔も発見した様子だ。

 10月5日の新潟3R(3歳未勝利・キネオイーグル)では、関西所属ジョッキーで一番乗りとなるJRA年間100勝を達成。岩田自身、秋競馬に入って明らかに勝ち星のペースが上がっている。とはいえ、全国リーディングを考えたとき、やはり戸崎との差はいかんともしがたいようで…。

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング