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天皇賞・秋出走馬のウィークポイントを考える

  • 2014年10月31日(金) 18時00分


◆色々と困った天皇賞

 天皇賞・秋は前走で連対している馬が圧倒的に強いレースなのだが、今年は毎日王冠、京都大賞典、札幌記念、宝塚記念の連対馬がすべて不在。例年なら買えないオールカマー組を新潟施行だった今年はアリにする手はあるが、マイネルラクリマがよりによって大外枠。色々と困った天皇賞・秋になった。

 残っているのは、例年と違うパターンの前走好走馬。代表格はやはりイスラボニータだろう。3歳馬で人気になるレベルの馬はこれまでも安定した成績を残しているし、東京コースに好走歴もある馬なので、無難な軸ではある。しかし枠順はちょっと外を引きすぎてしまった。7枠15番はぎりぎりアリとも言える枠だが、有利ではない。乗り替わったルメール騎手がどういう競馬をするのか注目したい。

 フェノーメノは前走GI勝ち馬であり天皇賞・秋の連対歴もあるが、こちらはレース間隔がだいぶ開いた。似たような間隔ではダイワスカーレットが2着しているが、優勝例となると戦前まで遡る。格の面で外せない馬ではあるが、ファンの皆さんは当日の気配まで見て判断するとよいと思う。

 マイネルラクリマは好位で競馬ができるししぶといタイプなので穴に考えていたのだが、さすがにこの枠はしんどいかもしれない。マーティンボロは好走を続けている勢いはあるが、ハンデGIIIと天皇賞の間にはやはり差がある。58キロが自身にとって未体験ゾーンになるのも問題だ。

 毎日王冠組では3,4着馬を両方馬券の対象に検討したい。この2頭が良いというよりも、今年は他に頼れる馬が少ない。前走の着順としてはスピルバーグのほうが上だが、当時の着差はハナ差。しかもスピルバーグは戦術の選択肢が無いタイプで、展開が逆になったらそれで終了の可能性もある。そう考えると、配当の高さも含めてディサイファのほうが魅力があるように思う。

 ジェンティルドンナは得意の東京に戻って再起を期すが、こちらは極端な内を引いた。2〜3番手の競馬をするならばよいが、戸崎騎手は引くときに1段余分に引くことも多いので、そうなると4角からの捌きに苦労する可能性もある。もちろん有力であることに疑いはないので、まずはオッズを見てどのような扱いをするか決めていきたい。

 エピファネイアは4月以来となるので、それならばフェノーメノのほうが選択肢としてベターであるように思う。QEIIカップもそうだが大阪杯も内容としては物足りないもので、ここが試金石。今回1番人気にならない気楽さを生かして大胆な競馬をしたほうが良い結果につながると思う。

 カレンブラックヒルは前走7着と負けたが着差は限定的だったし、ハマっていた時期の競馬を投げてしまうところもなかった。レース後の秋山騎手もその点を喜んでいたし、今週の追い切りでは好時計も出て復調ムードは出てきている。あとは天気と馬場が問題で、ひと雨来てくれれば3着での複穴の可能性はあると思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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