スマートフォン版へ

JBC2014開催! 盛岡競馬場の熱狂をリポート

  • 2014年11月04日(火) 18時00分


盛岡競馬場で開催されたダート競馬の祭典JBCの熱狂をリポートします

 ダート競馬の祭典JBCが、盛岡競馬場で開催されました!盛岡では12年ぶりの開催ということで、決定した時から楽しみにしていたのですが、これがもう、想像以上に熱く盛り上がりました!!発売総額は29億円を越え、岩手競馬の過去最高を記録。さらに、1万8千人以上のファンが来場し、目の前で繰り広げられる3つのJpnIに熱狂しました。

 まずは、女王決戦『JBCレディスクラシック』からリポートします。ここまでの戦いでは、ワイルドフラッパーがダートグレードの牝馬路線で3勝しており、断然の成績。前々走でサンビスタに負けたものの、トライアルの『レディスプレリュード』を快勝し、圧倒的女王として君臨するかに見えました。

 JBC特別ファンファーレが鳴り響き、集まったファンの方々の手拍子と併せて興奮が高まって行きます。全馬枠入り完了、みんなが固唾を飲んでスタートを待っていると…なかなかスタートが切られません。よくよく見ると、1番コーリンベリーがゲート内で尻もちを付いて動けなくなっていました。ゲートの後ろ扉が開けられ、全馬もう一度輪乗りへ。コーリンベリーもようやく立ち上がり、検査の結果以上なしと判断。再度ファンファーレが鳴り響き、無事にスタートが切られました。

 しかし、今度は場内からどよめきが…。1番人気ワイルドフラッパーが出遅れてしまったのです。道中映し出された時にも、蛯名騎手の手が動いていて反応イマイチ…。軽快に逃げるコーリンベリーやブルーチッパーの脚色が良く、もしや? と思わせました。しかし、やはりそこは女王。3、4コーナー大外から豪快に上がって来て、直線先頭へ。強気のレースで完勝か、と思われたところに、今度はいい脚でサンビスタが襲い掛かり、その外からトロワボヌールも強襲。ワイルドフラッパーが3着になるという波乱の幕開けとなりました。

1着サンビスタ
岩田康誠騎手

「前回はゲートの出があまりよくなくて、直線を向くまで窮屈になってしまったんですけど、今日は好スタートを決めていいレースが出来ましたね。前を見ながらのレースで、途中からワイルドフラッパーがマクって来たのでその後ろを付いて行く形になりました。

この馬は使いながら柔らかくなって来て、どんなレースも出来るし、瞬発力があるところが武器です。GIを制したので、これからは賞金の心配することなく、どこでも使えますね。まだまだ活躍してくれる馬ですよ」

角居勝彦調教師
「スタート前にハプニングがあって、どうなるかとヒヤヒヤしましたけど、いいスタートを切ってくれて、最初のコーナーを曲がるまではいい位置にいられて。ワイルドフラッパーを負かすにはこれしかないという乗り方でした。特に僕は指示はしていないですけど、岩田くんが上手に乗ってくれましたね。

最初はここまで力を付けられるとは思っていなかったんですが、使いながらどんどん成長してくれました。前は気持ちが強すぎるところがあったんですけど、その辺りが落ち着いて来て、体も膨らみが出て来ました。いい状態で出走させることが出来て、JBCの舞台で強い馬といい対決をお見せ出来て嬉しいです。この後は体調を確認して、船橋のクイーン賞に向かう予定です」

JBCレディスクラシックを制したサンビスタ

サンビスタが外からワイルドフラッパーに襲い掛かりJBCレディスクラシックを制す



2着トロワボヌール
田中勝春騎手

「頑張って走ってくれました。負けて残念ですけど、でも力は出し切れたと思いますよ。流れ一つで変わるし、もっと成長して力付いて来ると思います」

3着ワイルドフラッパー
蛯名正義騎手

「スタートのタイミングがよくなかったです。早めに動いて行ったけど、前半もう少し楽に行けていれば…。時計も速かったし、スタートが響きました」

4着アクティビューティ
吉田隼人騎手

「スタートも決まったし、イメージ通りのレースが出来ました。勝ち馬と同じポジションにいたけど、勝った馬が強かったですね。もう少し時計が掛かる馬場の方が、この馬にはいいと思います」

5着ブルーチッパー
幸英明騎手

「今日は2番手でしたが、スタートの速さは負けていません。ただやっぱり、自分の形にならなかったことが大きいですね。このクラスに慣れてくれば、もっと戦えると思います」


 続いては、短距離決戦『JBCスプリント』。ここは、ダートグレード3勝の実績を持つノーザンリバーが人気の中心となりましたが、最後は5頭横並びの大接戦となり、ドリームバレンチノが初めてJpnIの栄冠を手にしました!クビ差の2着は、浦和のサトノタイガー。3着はタイセイレジェンドが頑張り、こちらも波乱の結果となりました。

1着ドリームバレンチノ
岩田康誠騎手

「好スタートを決めて、先行馬の後ろからレースをすることが出来ました。この馬は、こういう締まった馬場が合いますね。スピードを生かして強気のレースをしました。年齢を感じさせない走りでしたね」

加用正調教師
「直線はかなりの接戦でしたが、他の馬のことは目に入ってなかったです。自分のところの馬だけを見ていたので、ハラハラはしませんでした。本当に頑張ってくれましたね。うちの厩舎にとっては初JpnI制覇なので、本当に嬉しいです。この後は馬の様子を見て決めます。今度は追われる立場なので、しっかり調整していいレースをお見せできるよう頑張ります」

JBCスプリントを制したドリームバレンチノ

ドリームバレンチノが初めてJpnIの栄冠を手にしたJBCスプリント



2着サトノタイガー
吉原寛人騎手

「夢見ました! いっぱい夢見ました!! 一瞬出たんですけど…。馬の状態は良かったし、チャンスはあると思っていました。理想よりも理想の展開になって、これなら!と思ったんですけど、最後は岩田さんとの追い比べに負けてしまいました。本当に悔しいです。でも、ここでも通用することが証明出来たので、また頑張ります」

3着タイセイレジェンド
福永祐一騎手

「返し馬で少し動きが重く感じました。絶好調というわけではなかったのかもしれないけど、57キロの斤量だと、さすがGI馬という走りをしてくれますね。本当に力がある馬です」

4着セイクリムズン
戸崎圭太騎手

「返し馬でいい感じでしたし、スタートも上手に出てくれました。ただ、中団から行く馬なので、外枠は痛かったです。渋ってる馬場よりも、時計の掛かる馬場の方がいいですね」

5着ノーザンリバー
蛯名正義騎手

「なんというか…、左回りだと少しもたつく面がありますね。最後はそれなりに伸びて来てるんだけど、途中でついて行けなくて。3、4コーナーで手応えが悪くなって、直線また伸びてっていう。今日は枠もあるし、馬場もあるし、全部が少しずつ悪い方に行ってしまった感じです。馬はよく走ってくれているんですけど」

12着コパノリチャード
武豊騎手

「全然進んで行かなかったです。芝の方がいいですね」

 そしてトリは、『JBCクラシック』。ここは近年稀にみる超豪華メンバーが揃いましたが、蓋を開けてみると、逃げたコパノリッキーの強さが目立ちましたね。2着は1番人気クリソライト、常に力を発揮してくれるワンダーアキュートが3着がでした。

1着コパノリッキー
田辺裕信騎手

「逃げるか逃げないかは特に意識していませんでした。ゲートが上手だったので、逃げる形になりました。4コーナーで後ろが迫って来ましたけど、自分はまだペースを上げないままで行けたので、最後までよく頑張ってくれました。乗り手としたら、ちょっと掛かる面があるのでマイルの方が乗りやすいけど、2000mでも大丈夫だし、こうやって強い馬たちを負かして、2000でもやれることを証明してくれましたね。

今日は盛岡で勝てて、本当に嬉しいです。僕自身、福島県出身なので、家族や親戚も震災の影響を受けたので、心の痛みはわかる部分もあるつもりです。これからも、一緒に盛り上げていければと思います」

村山明調教師
「本当は南部杯に使おうと思っていたんですけど、夏場に弱い子で、ぶっつけになりました。でもその分乗りこめたし、状態は良かったです。でも逃げると思っていなかったので、大丈夫か? と思いながら見ていました(笑)。田辺くんが本当に上手に乗ってくれましたね。この後は馬の様子を見ながらですが、チャンピオンズカップに向かう予定です」

小林祥晃オーナー
「勝てて嬉しいです。田辺くんとリッキーはとても合っていますね。去年はラブミーチャンで盛岡の方との約束が果たせましたし、今年もまたこうして盛岡で勝つことが出来て、本当に嬉しいです。どうもありがとうございました。また岩手を応援します!!」

JBCクラシックを制したコパノリッキー

逃げたコパノリッキーの強さが目立ったJBCクラシック



2着クリソライト
クリストフ・ルメール騎手

「1コーナーで少し掛かる感じになって、外を回ったのが痛かったです。馬の後ろに入れたら落ち着いてくれて、そこからはリラックスして走れたし、GOサインの反応も良かったんですけど…。馬のコンディションも良かったですし、よく頑張ってくれました」

3着ワンダーアキュート
武豊騎手

「いい展開になって、理想的だったんですけど、前が止まらなかったですね。でもいつも確実に走ってくれる、本当にすごい馬です」

4着ホッコータルマエ
幸英明騎手

「久々だったので、もう少しモタモタするかなと思ったけど、4コーナーまでの手応えがすごく良かったです。最後は休み明けの分ですね。次はもっと良くなりますよ」

5着ベストウォーリア
戸崎圭太騎手

「絶好調だったんですけど、それもあってかなり気合が乗っていました。落ち着くまで時間が掛かった分です。ずっとワンターンだったので、4つのコーナーに戸惑った部分もあると思いますし、距離がダメというわけではないです」

6着ナムラタイタン
坂口裕一騎手

「前回よりも状態はずっと良かったです。スタート躓いたけど、砂を被るレースになって、かえっていい経験が出来たのかもしれません。もっと力の差があるかと思いましたけど、改めて力のある馬ですね。収穫の大きいレースでした」

7着カゼノコ
秋山真一郎騎手

「今回は休み明けだったし、初めての古馬相手でもあったので。使って良くなるタイプなので、次はもっとよくなりますよ」

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング