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【祐一History vol.18】『一度だけ味わったキングカメハメハの背中は』

  • 2014年11月04日(火) 18時00分
祐言実行

▲キングカメハメハ、ラインクラフト、シーザリオ…名馬たちとの日々を振り返る


「ヨーロッパに行ってもやれたんちゃうかな」


 2005年の競馬界の話題といえば、ディープインパクト。ナリタブライアン以来となる3冠馬の誕生は、その勝ちっぷりも相まって、社会を巻き込んでの盛り上がりを見せた。自分にとっても華やかな時代で、その年に挙げた重賞16勝、GI5勝は、いまだに年間自己最多勝利数だ。

 前年の2004年には、オークスをダイワエルシエーロで、高松宮記念をサニングデールで勝ち、10月にはラインクラフトが、12月にはシーザリオがデビュー。こういった新たな出会いが2005年へとつながっていくわけだが、そんななかでも2004年の忘れられない1頭といえば、毎日杯(1着)で騎乗したキングカメハメハだ。

 今思い出しても、本当に乗りやすい馬だった。スタートもいいし、どこからでも競馬ができる万能型。ひとつの能力が突出しているというより、すべての平均点が高い馬だったように思う。今、走っている産駒にしても、短距離、長距離、芝、ダートと、いろんなタイプの産駒が出ていて、なかにはオールマイティな産駒もいる。そのあたり、キンカメ自身が持つ万能性の賜だろう。ともあれ、あのときのキンカメの背中を味わえたのは、自分にとって大きな財産だ。

祐言実行

▲一度だけキンカメに騎乗した毎日杯、騎手心を駆り立てる能力を感じて


 毎日杯後は、NHKマイルCに駒を進めることが決まっていて、自分への依頼はあくまで単発だった。でも、安藤(勝己)さんがもう1頭と迷っているという話になり、もし安藤さんが乗れなかったら、自分が引き続き騎乗することが決定していた。自分としては、もちろん乗りたい。だから、心のなかで密かに「安藤さん、断って…」と思っていたのだが、ご存知の通り、安藤さんはキンカメを選んだ。

 そういえば、ついこの前、「キングカメハメハなら、ヨーロッパに行ってもやれたんちゃうかな」と、安藤さんが話しているのを何かで聞いた。万能型で、多少のことには動じないあの精神力は、確かに海外でも大きな武器になったのではないかと思う。

 同じような意味で、牝馬同士なら海外のどこに行っても負けないだろう──そう思わせてくれたのが

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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