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園田時代からのめぐり合わせ、クールホタルビで阪神JFへ

  • 2014年11月25日(火) 18時00分
小牧太

ファンタジーS制覇の舞台裏と、今週の京都2歳Sについて語ります


先日のファンタジーSでは、シンガリ人気のクールホタルビで見事な勝利を決めた小牧騎手。それにしても人気がなさすぎた感が否めませんが、はたして小牧騎手はどんな手応えを持ってレースに臨んだのでしょうか。今回は、ファンタジーS制覇の舞台裏と、今週京都2歳Sに出走するダノンメジャーについて、その手応えをお聞きしました。(取材・文:不破由妃子)

思わず康誠に「勝ってもうた!」


──今回は、ファンタジーSについてのコメントや質問がたくさんきています。改めて、おめでとうございます!

小牧 ありがとう。人気は気にせんほうやけど、まさかシンガリ人気とは思ってなかったわ。

──ホントですよねぇ。大きく負けたのは前走の小倉2歳Sだけですから、いかにも人気がなさすぎました。「自信を持って臨んだ一戦だったのですか?」という質問がきていますが。

小牧 いや、自信はそれほど…。返し馬が終わった時点でカリカリしていたから、「ああ、いつもと一緒やなぁ」と思いながらゲートに入って。

──道中は3番手のポケットという絶好位。すごくスムーズな競馬でしたよね。

小牧 うん、横にも馬がいなかったしね。馬のデキも良かったけど、あそこでうまく折り合って運べたことが一番の勝因やろうね。まぁ勝つときはあんなもんや。なかなかあそこまでスムーズにいくことはないから。

──もともと気性的に前向きな馬ではありましたけど、折り合いが課題というほどではありませんでしたよね?

小牧 そうやね。非力なタイプなんで、抑えることができるから。それに、むちゃくちゃ掛かったことはないしね。

──それにしても、横綱相撲といった勝ちっぷりでしたね。少なくとも、最低人気馬の走りではなかったです。

小牧 そうやね。あとからレースを見て改めて思ったのは、確かにスムーズやったけど、おまけの勝ち方じゃないということ。強い勝ち方やったと思う。思えば、新馬のときが強かったからねぇ。やっとあのときの走りが戻ってきたなっていう感覚でしたわ。

小牧太

「強い走りが戻ってきた」、太が唸ったファンタジーSのゴール前


──「小倉2歳Sでは、直線でズルズルと下がっていきましたが、今思うと、あのときの敗因はなんだったと思いますか?」という質問がきています。

小牧 短期間のうちに函館に行ったり小倉に行ったり、ちょっとハード過ぎたのかもしれんね。疲れがあったのかもしれん。あとは、カリカリした馬やから、長距離輸送が苦手なのかも。いずれにしても、この前の競馬が本来の力だと思っていいと思うんやけどね。

──次の阪神ジュベナイルFは1ハロン延びますが、その点についてはいかがでしょうか?

小牧 ん〜、前走も最後はいっぱいいっぱいやったからねぇ。微妙なところではあるけど、輸送の短い阪神やし、なんせ新馬を勝った舞台でもあるからね。力を出せれば、前走くらいの競馬はできるんじゃないかとは思うよ。乗り方ひとつやね。

──「次の阪神ジュベナイルFでは、やはり脚をタメる競馬をしますか?」という質問もきています。

小牧 位置取り云々ではなく、折り合いをつけてソローっと乗りたいんやけど、気のいい馬やからある程度前に行ってしまうでしょ、きっと。でも、そこで折り合えれば問題はないからね。楽しみですわ。

──馬主さんの川上哲司さんは、園田時代からお付き合いのある方で。馬主さんにとっても、うれしい重賞初制覇になりましたね。

小牧 はい。すごく喜んでくれはって。もう何十年も前からよう知っている馬主さんやからねぇ。縁やなぁと思いましたわ。それにしても、まさか勝てるとは…。ゴールしたあと、康誠(2着のダノングラシアスに騎乗)に思わず「勝ってもうた」って言ったくらい。クールホタルビのお母さん(プラセール)は康誠がずっと乗ってた馬やから、「プラセールの子供が勝ったぞ」って言うて。まぁ、彼は彼で2着やったから、ガックリきとったけど(苦笑)。

──続いては、京都2歳Sに出走するダノンメジャーについて。2週続けて追い切りに騎乗されていますが、感触はいかがですか?

小牧 今日はワンアンドオンリーと併せ馬をしたんやけど、後ろから行って、持ったままかわしていったわ(苦笑)。もともとボーっとしてる馬やったんやけど、牧場から帰ってきてからは逆に気が乗りすぎていて、そこがちょっと気になるね。

──ワンアンドオンリーがあまり稽古駆けしない馬だとしても、ダービー馬を持ったままかわすとは、ある意味スゴイですよね。

小牧 周りのみんなは「スゴイなぁ」って言っとったけど、僕としてはもうちょっと(力が)抜けてもらいたかったな。なんせカッカカッカしてるから。まぁ前がおとなしすぎたのかもしれんけどね。レースはゆっくり進めたいんやけどなぁ。今のままのテンションだと、前に行ってしまうかもしれんね。まぁ人間があんまりごちゃごちゃ考えんと、馬の力を信じて乗りますわ。

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【次回の太論は?】
GI騎乗が続く小牧騎手。「賞金的に大丈夫かなぁ」と心配顔ですが、チャンピオンズCを予定しているナムラビクターも、出走が叶えばチャンスは十分です! 次回はみやこSを振り返りつつ、チャンピオンズCへの抱負を語ります。
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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